18年度予算奄振関係

 

2018年度 奄美群島振興開発関係概算決定額

2018年度 奄美群島振興開発関係概算決定額

交付金、補正計で概算要求並

 

17年度当初比1.9%減の212億2900万円

 

アイデア競わせ交付金支給も

 

 政府は22日、2018年度予算案を閣議決定した。国の一般会計総額は97兆7128億円で、6年連続で過去最大を更新。地方交付税は15兆5150億円(17度当初比0・3%減)で2年ぶりに減少した。公共・非公共を合わせた奄美群島振興開発関係概算決定額(国費ベース)は212億2900万円で、17年度当初比1・9%減。奄美群島振興交付金24億円を含む非公共事業は17年度とほぼ同額の24億1千万円。交付金は概算要求額の28億円には届かなかったが、17年度当初予算と同額の24億円を確保した。

 非公共事業の交付金では、奄美群島の自立的発展、住民の生活の安定および福祉向上、定住促進を図るため、奄美群島の特性に応じた産業の振興や生活の利便性向上に資する事業を支援。対象事業として、▽民泊なども含めた奄美らしい観光(滞在型など)の促進▽奄美群島と国内外の地域との戦略的な交流促進▽スポーツなど奄美の特性を生かした産業の振興―などに対する支援を行うとしている。

 公共事業188億1900万円(17年度当初予算比2%減)では、奄美空港(奄美市)などにおいて航空機の安全運航を確保するための空港整備事業(直轄・補助)が7億3200万円(同74%増)と増額。防災・安全交付金は、和泊港海岸(和泊町)の防潮堤改良、住用川(奄美市)改修、松原川(天城町)えん提工、大金久海岸(大和村)人工リーフ整備、下水道の終末処理場(奄美市)改築など34億9500万円と17年度当初予算額をわずかに上回った。

 このほか、名瀬港(奄美市)や和泊港(和泊町)において、安定的な海上輸送の確保を図るための防波堤整備などに15億2300万円(同増減なし)、喜界町において焼却施設の更新、龍郷町と天城町などにおいて市町村が合併浄化槽の整備に2億3千万円(同増減なし)を計上。

 奄美市や伊仙町などの簡易水道事業(補助)に2億3700万円(同27%減)。奄美市や喜界町などにおいて鹿児島県が行う農地整備に14億3千万円(同10%減)。沖永良部島において安定した水の供給のため地下ダムや用水路整備するほか、徳之島と沖永良部島において国営かんがい排水事業と合わせて県が配水路などの整備に51億1700万円(同5%減)、名瀬瀬戸内線(根瀬部国直工区)のトンネル工事など社会資本総合整備に53億2500万円(同4%減)としている。

 同時に閣議決定した17年度補正予算案の奄振予算額は、8億4600万円。公共事業では簡易水道や農業農村整備などに4億7600万円、非公共事業では奄美群島振興交付金3億7千万円を計上した。この補正と18年度予算案を合わせると27億7千万円となり、交付金は概算要求(28億円)並みに増額される。

 また18年度から12市町村に地域振興事業計画を競わせて優れた内容のものに交付金を支給する制度の導入を決定。人の出入りが多くなるのを見越して、これからはリピーターを増やして継続していけるような施策にするためのアイデアを募集して、県が審査するとした。

 国の18年度予算案では、国債発行額が33兆6922億円(前年度6776億円減)。そのうち赤字国債は6746億円減らして27兆5982億円とし、公共事業などに充てる建設国債は30億円減の6兆940億円とする。歳入に占める借金の割合を示す国債依存度は34・5%と8年連続で下がった。基礎的財政収支の赤字額は10兆3千億円を超えた。