復帰記念の日の集い

復帰運動の舞台となった石段の前で全員が万歳三唱した(写真は名瀬小学校)

「奄美の歴史を後世に」

 

約600人が先人をしのぶ 65年目へ運動語り継ぐ決意新た

 

 奄美群島の日本復帰(1953年12月25日)から64年目を迎えた25日、奄美市名瀬の名瀬小学校校庭で「日本復帰記念の日の集い」(市など実行委員会主催)があった。当時を知る市民や市内11校の児童生徒など約600人が参加。群島民が一致して成し遂げた日本復帰を尊び、先人の努力を後世に語り継ぐ決意を新たにした。

 復帰伝承に取り組む市民団体「奄美群島の日本復帰運動を伝承する会」(西平功会長)「潮鳴会」(山田正修会長)と同市で構成する実行委が開催。主催者代表で朝山毅市長は「先人の熱い思いと行動力によっていまの暮らしがあることを自覚してもらえたら」と述べた。

 式では復帰運動のリーダー的役割を担った泉芳朗氏など運動に尽力した先人に向け、団体代表者らが復帰運動の舞台となった同校石段の前で献花。その後、「日本復帰の歌」と「朝はあけたり」を全員で斉唱した。

 太平洋の潮音=しおのと=は わが同胞の血の叫び 平和と自由をしたいつつ 起=た=てる民族二十万 烈々祈る大悲願―(日本復帰の歌)。

 名瀬小6年児童62人が「断食祈願の詩」を朗読すると、参加者は群島民の署名運動などを経て、復帰を果たした当時の先人の志に思いを馳せた。

 子どもたちに伝える話を奄美市名瀬の石神京子さん(79)が講話。大島女子高校在学時に復帰運動を体験。雨が降る中、多くの住民がこの校庭に集まり喜んだことを振り返った。

 感想発表で名瀬中学校2年・西形みさきさんは「奄美の歴史を後世に伝えていくためにも、先人が守り抜いてきた歴史からシマンチュのあり方を学び、未来につなげていきたい」と決意を語り、最後は全員で万歳三唱し、締めくくった。