新たに1匹誘殺確認

1-成虫の写真(出典:農林水産省植物防疫所ホームページ)

ミカンコミバエの成虫(農林水産省植物防疫所ホームページより)

前回と同時期の飛び込み可能性
沖永良部島

県食の安全推進課は28日、果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエの誘殺で、沖永良部島の知名町で新たに1匹を確認したと発表した。対応マニュアルに沿って関係機関はテックス板の追加設置などの対策に取り組んでいる。

同課の発表によると、今月22日に増設したトラップ(知名町瀬利覚地区)において、26日に誘殺個体を回収し、門司植物防疫所名瀬支所で検査したところ、27日にミカンコミバエ(雄)1匹であることを確認したという。

知名町での誘殺確認を受けて門司植物防疫所名瀬支所と県、市町村等では▽トラップ増設=今回の誘殺確認地点から半径5㌔㍍以内にトラップ4基増設(27日)▽寄主植物の調査=6月23日、27日、7月5日(予定)、8日(同)に周辺(半径2㌔㍍以内)の寄主植物(グアバ、パパイア等)を採取、それぞれ5日間保管後切開し、幼虫の有無を確認▽初動防除=6月26日に徳時と知名の誘殺地点周辺(半径1㌔㍍以内)にテックス板を設置(2千枚)。植防から届き次第、瀬利覚の誘殺確認地点周辺(半径1㌔㍍以内)にテックス板を1千枚設置予定―といった対応に取り組んでいる。

寄主植物を採取しての果実調査により幼虫の有無の確認が注目されるが、同課は「1千体超の検体を調査しており、すべての調査結果の判明には期間を要する」と説明している。

農林水産省植物防疫所がホームページで公表している知名町でのミカンコミバエ誘殺状況(6月26日現在)をみると、6月13~20日の週に2匹(徳時集落と知名集落で1匹ずつ)、同21~26日に1匹の合計3匹。これについて同省消費・安全局植物防疫課は「誘殺数が前の週よりも増えた場合は発生の兆しと捉えられるだけに注視したい。今のところ増えておらず、前回(誘殺確認)と同じ時期に発生国(台湾、中国、フィリピン)からの風に起因する飛び込みの可能性がある。誘殺数の急増など定着が確認されない限り、緊急防除による法的移動規制措置がとられることはない」としている。

なお、ミカンコミバエの誘殺状況は沖縄県の状況も公表されている。それによると、6月13~19日の週に7匹を宮古郡多良間村で、同20~26日の週には多良間村(8匹)のほか、新たに八重山郡竹富町(2匹)でも確認され計10匹となった。