ノネコ収容施設の建築同意

中断していたノネコ収容施設整備計画の用途の例外許可が同意された(旧大島工業高校跡地内)

県建築審査会 中断の整備計画、再開見直し

 

関係者は一定の評価

 

 用途地域の建築物利用制限で中断されていた奄美市名瀬浦上町のノネコ一時収容施設整備計画が23日、鹿児島県庁で行われた県建築審査会で例外許可の同意が得られ、整備計画が再開する見通しとなった。島内5市町村でつくる奄美大島ネコ対策協議会(事務局・奄美市環境対策課)は、年度内完了に向け作業を進める方針。関係者からも一定の評価をあたえる声が聞かれた。

 整備計画は捕獲したノネコの病気の有無や飼い猫としての適性などを判別し、一時的な飼養を行う収容施設整備で総事業費1486万円を計上。旧大島工業高校跡地内の旧職員住宅1棟(鉄筋コンクリート2階建て、99平方㍍)を改修し、約50匹のノネコを収容する。

 跡地は「第一種中高層住居専用地域」に指定されていて、収容施設は「畜舎」定義で建築基準法違反の恐れがあるとして計画は中断。市環境対策課は建築審査会での特例措置を求め、周辺住民(約10世帯)の同意や計画の概要などとりまとめ県に申請を行っていた。

 建築基準法第48条第3項の規定では、「第一種中高層住居専用地域」で建築物の用途を制限。ただ特定行政庁が良好な住居の環境を害する恐れがないと認めるか、または公益上やむをえないと認めて許可した場合は例外となる。

 17年度第3回県建築審査会は同日、県庁会議室で同会委員5人が出席して開催。県土木部建築課によると、「審査会ではノネコ収容施設の用途の例外許可の案件を協議し、出席委員の同意が得られた」とした。

 奄美ネコ問題ネットワーク(ACN)の久野優子代表(奄美猫部部長)は、「ひとまずは中断していた整備計画が、やっと動き出すので評価できる。ただこれからがスタートで関係者だけの問題ではなく、収容施設がノネコを約600~約1200匹一時預かりする施設で、それがどれだけ大きいことかを住民一人一人の問題として考えてもらいたい」と話した。