笠利大火 復旧へ一歩

笠利大火 復旧へ一歩

火災から2日が経過した現場では、通信ケーブルの復旧工事が行われた(29日午前11時ごろ、奄美市笠利町笠利)

通信作業、ボランティア志願も
隣接の笠利小 児童ら元気に登校

奄美市笠利町笠利で19棟を焼いた火事から2日経過した29日、現場では通信ケーブルの復旧作業などが行われた。この日の昼までには奄美署や消防による正式な実況見分が終了。電話線復旧の作業は始まったばかりだが、復旧に向けた一歩が踏み出された。

NTT西日本鹿児島支店によると火事の影響で300~400㍍程度の範囲でケーブルが焼損。現在も40回線が不通となっている。この日は通信事業所が電柱間のケーブルの張り替えを実施。30日から順次復旧していく見込みで、同社は31日午前までの完全復旧を予定している。

現場からほど近い笠利小でも通信機器が使用不可に。また火の粉が降り注ぎ、校舎北側の網戸の一部に穴が開くなどの被害が発生した。同校では火事当日の27日、午前7時過ぎから同8時ごろまでの間に児童の安否と教材の焼失などを確認。り災した児童、教職員はなく、週明けとなった29日から通常通り授業を行っている。

また、通学路の安全確認などを行い、ガラス片や焼け跡が確認されるルートでは一部変更などの措置を取っている。道添辰也校長は「不安を感じている児童らはいないが、地域住民との関りが強い地域なので、みんな心配している」と語った。

奄美市役所笠利総合支所には民間ボランティアや、事業所などからの支援物資寄付の申し出などの問い合わせがすでに数件あったという。同支所は今後、現場の整理などに参加することも検討。また、市の規定にのっとり、見舞金の支払いを行う予定としている。