与論の嶺島さん(開陽・通)最優秀賞

自らの経験談と周囲への感謝を語り最優秀賞に輝いた嶺島歩さん

県高校定・通課連大会 体験発表で感動と励まし

 

奄美高で

 

 第67回自治連盟生活体験発表大会(県高校定時制通信制過程自治連盟主催)が15日、奄美市名瀬の奄美高校であった。

 同大会は定時制、通信制で学ぶ生徒たちが、学校生活を通じて感じ、学んだ貴重な体験を発表。そのことで多くの人に感動と励ましを与えることを目的とするもの。出場者はそれぞれが、実生活の中で感じた挫折、苦悩から立ち直り前向きに生きることができるようになった経験談を語った。

 県内で定時制、通信制を持つ、奄美・開陽・鹿実の3校から9人が出場。与論町在住で開陽高校通信課程3年生の嶺島歩さん(18)が最優秀賞に輝いた。嶺島さんは11月19日に東京で行われる全国大会に出場する。

 嶺島さんは発表の中で、子宮頸がんワクチンの副作用の影響で、全日制の高校を中退したことを「一人暗闇の中に置き去りにされた思いで過ごしていた」と振り返った。しかし自分の思いや体調のことを周囲に話すことで、多くの友人ができ、治療に積極的に取り組めるようになったことを紹介。その後、「与論島という小さな島で、家族だけでなく地域の人々に支えられたからこそ辛い闘病生活を乗り越えられたのだと思う。支えてくれた人に感謝するためにも夢を叶えたい」と熱弁した。

 発表後に嶺島さんは「発表することで、徐々に快方に向かってきた病気に区切りをつけることができた」と語った。

 審査委委員長を務めた県教育委員会大島教育事務所指導課の小薄敏幸課長は「過去の苦悩を振り返るのは辛く怖いこと。それに向き合い周囲に感謝しながら目の前の壁を乗り越えるために努力する様子が伝わり心打たれた」と9人の発表を評価した。

 大会結果は次の通り(敬称略)。

 最優秀賞 嶺島歩(開陽・通)▽優秀賞 津畑勝喜(奄美・定)、元田有紀(鹿実・通)▽優秀賞 佐藤千尋(奄美・定)、濱崎まい(同)、迫山栞(鹿実・通)、篠原嵩虎(同)、田之頭匠(開陽・定)、泉春菜(開陽・通)