猫の譲渡会と写真展

面会コーナーで保護された猫と顔合わせする譲渡会の参加者

「やさしい飼い主なりたい」
19組48人 参加者の意識に変化

 奄美猫部(久野優子部長)は25日、奄美市名瀬の奄美文化センターで「猫の譲渡会&ビフォーアフター写真展」を開いた。雨の中の催事に多数が訪れ、正午からの譲渡会には19組48人が参加。アンケートに基づき面談が行われ、後日の確認審査の上で飼い主が決定される。

 譲渡会は保護されている子猫から大人の猫まで13匹が参加。昨年の反省から猫への面会は一人あたり10分の時間制で実施された。

 受付や案内にスムーズに対応するため学生ボランティアが協力。大島高校の生徒会役員など12人が、資料配布や募金集めを行った。

 譲渡会と写真展は同日開催の「まなび・福祉フェスタ」のホール外イベントの一つ。フェスタ開始時から写真展は開始され、今回は保護された16匹の猫の保護前と回復後の様子の写真パネルが掲げられ、ブースを訪れた市民が足を止め眺める姿が見られた。

 譲渡会は受付で事前予約を済ませた参加者から、手をアルコール消毒して面会コーナーに入り希望する猫などと顔合わせ。参加者はケージに入った猫を見比べて気になった猫がいる場合は、奄美猫部のスタッフが猫を外に出して実際に抱いたりなでたりして引き取るかどうかを判断した。

 面会終了後にスタッフから、飼い主として適格かを知るためのアンケート用紙を受け取り記入。アンケート記入後に、久野さんが譲渡希望者の面談を実施。希望者が猫を譲渡されて適正に最後まで飼う意志があるか確認し、猫を飼う環境などの審査を経て譲渡が決定されるという。

 小湊小4年の吉田里梨さん(10)と母親のさおりさんは、夫から猫を飼う許可が出たとして参加。さおりさんは、「かわいい猫が3匹いた。人間のせいで猫の問題が起きないようにと参加した」と話し、里梨さんは「猫ではなくて人間が悪い。もし猫を飼えたら、やさしい飼い主になりたい」と感想を述べた。

 大島高校2年の石田大和さん(17)は、生徒会役員で奄美猫部の活動趣旨に賛同してボランティア参加。「譲渡会に来ていない人にも、猫の問題を知ってもらいたい。また何かあれば協力したい」と話した。

 譲渡会を振り返り久野さんは、「去年とは参加者の意識が違う。市町村の条例も改正され厳しくなり、住民の意識も変わっている。猫部のスローガンのように、人も猫も野生動物も住みよい奄美大島になればいい」と語った。猫の譲渡については、「受け皿の少なさのため、飼い主が決まるのはきょう参加した猫から2匹ぐらいでないか」との見解を示した。