ゆらめく“龍の目”雲間から

春のシーズン序盤から姿を見せた“龍の目”=2月27日午後6時16分、西康範さん撮影=

かがんばなトンネル 今シーズン初のお目見え

 龍郷町円集落にある「かがんばなトンネル」。奄美群島で最も短い同トンネルでは春と秋の年2回、国内でも珍しいトンネルに夕日が入る神秘的な風景が見られる。西康範さんは27日、雲間から夕日が差し込み、ゆらめく“龍の目”出現の撮影に成功した。

 同トンネルは1998年開通の奄美群島で一番短いトンネル(29㍍)。龍郷町によるとその名は、地名の「鏡崎=かがみざき=」が「かがんざき」となまり、海に突き出した陸地を指す「はな」とあわさり、「かがんばな」となったとしている。夕日がのぞく真っ赤なトンネルと、陰になり黒く見える陸地の様子が“龍の目“のように見えると人気を博している。この幻想的な風景が見られるのは春分と秋分前後の数日間で、県大島支庁は今シーズンの見頃について、26日ごろから3月18日ごろまでとしている。

 シーズンに合わせて撮影をしている西さんによると24日から様子を見ていたが、夕方が晴れる日が少なく、この日が今シーズン初だという。同日は珍しい光景を一目見ようと30人ほどが撮影場所に訪れていたと西さん。

 名瀬測候所の週間予報によると、28日から6日までは午後晴れる日はない見込み。しばらくは貴重なシャッターチャンスを我慢する日々が続きそうだ。