菊草の写真見つかる

発見された西郷隆盛、愛加那の長女菊草(菊子)=写真左=らの写真の一部。右が実兄の西郷菊次郎

西郷隆盛、愛加那の長女
実兄・菊次郎のひ孫宅で 「りゅうがく館」で展示へ

 長い間、見つからなかった西郷隆盛、愛加那の長女・菊草(菊子)の写真がこのほど、実兄である西郷菊次郎のひ孫宅=関東在住=で発見された。菊次郎の家族や親族が一緒に写っており、子孫が所蔵していたことなどから関係者は「貴重な写真の発見だ。別の写真や新聞資料も確認している」と話し、評価している。写真は子孫から龍郷町教育委員会へ寄贈された。町側は4月から町生涯学習センター「りゅうがく館」2階文化財展示室で展示を予定している。

 写真はA4サイズの複写版。龍郷町教委学芸員の川元美咲さんによると、今回の写真提供は、西郷隆盛などについて学習している「志塾・西郷塾」(久保明雄塾長)のメンバーが、菊次郎のひ孫女性と交流を続けていたことがきっかけとなった。メンバーの一人である久保笙子さん(72)は「菊草さんらのことをもっと調べて、知ってもらいたいと考えていた。写真を見てびっくりした」と話した。

 菊草は、大山誠之助と結婚し、大山菊子と名前を変えた。その後、2人の子供と共に京都の西郷菊次郎宅で一緒に暮らした。1909(明治42)年、菊次郎宅で享年48歳の若さで死去した。

 川元学芸員と協力しながら菊草について調査してきたという西郷隆盛研究家の原田良子さん=京都市在住=は「大山菊子が死去したときの新聞記事や広告も確認した。写真は京都で撮影された可能性が高いと考えている」と述べた。

 川元学芸員らによると、菊草ら親族が写っている別の写真を「琵琶湖琉水記念館」(京都市)が保管しているのを確認したという。

 龍郷町文化財展示室特別企画「西郷隆盛と菊次郎展」が4月20日に開幕、来年2月3日まで開かれる。これに合わせて今回見つかった写真や詳細な資料展示を計画している。

 現在、2階文化財展示室では、西郷隆盛からの返礼品(鉢)や愛加那のギハ(かんざし)を展示している。