シマ歩きで歴史ふれ鶏飯づくりも

シマ歩きで歴史ふれ鶏飯づくりも

喜界町生活研究グループ連絡協議会が、NPO法人すみようヤムラランドの視察研修でシマ歩きを体験した

 

NPOすみようやむらランド活動視察
喜界町生活研究グ連絡協

 

 住民の生活向上を目指した各活動を行っている、喜界町生活研究グループ連絡協議会(榮和子会長、会員39人)は13日、奄美市住用町で地域づくりの活動を推進しているNPO法人すみようヤムラランド(満田英和理事長)の取り組みを視察し、西仲間集落内のシマ歩きや鶏飯づくりを体験した。シマ歩きでは、集落の歴史、ノロにまつわる先人の生活風習、現在も引き継がれている行事などについて学んだ。

 奄美地区の協議会総会出席に併せて会員ら17人が来島。同NPO会員で、昨年開業し、農産物加工品づくりや集落散策などの民泊体験を提供する「パンの木・しょうてん庵」の和田美智子さんが西仲間(ナーマ)集落を案内した。

 明治・大正時代頃の集落内の地図を見せながら、「大正時代に道路が整備され、徐々に家ができ人が移り住んできた。住用川の氾濫などで移転する人たちもいた」などと集落の成り立ちに触れた。「現在グループで集落の地図を作成している。自分たちの子孫のために残していきたい」。

 家と家の境界の隙間を示し「神様が通る道」と紹介。また、現在空き家となっているが、元々豪農が住んでいた住居のほか、「集落の人たちは米一合と、わらしべを家族の人数分持ち込み、ノロに家内安全を祈ってもらっていた」などノロにまつわる先人の慣習について説明した。

 また、集落で引き継がれ、旧暦の8月15日に行われる「悪綱引き」についても写真とともに紹介され、参加者らは自分たちの住む島との様々な違いを感じながら、熱心に耳を傾けていた。

 同協議会の榮会長は「喜界の土壌(アルカリ性)との違いで植物一つとっても面白かった。歴史も含めた地域発信は勉強になった。喜界の各集落にも紹介できるようなポイントで埋もれた部分があると思う。今後の活動にも生かしたい」と話した。

 同日は、鶏飯づくり体験も行い、奄美大島の郷土料理についても学んだ。