奄高女子ソフトボール部が鹿児島遠征

奄高女子ソフトボール部が鹿児島遠征

平川監督の指導を熱心に聞く奄美高の選手ら

勝利を目指して熱戦を繰り広げた奄美高

「成長」を実感
県大会勝利目指して

 【鹿児島】奄美高女子ソフトボール部が17、18日の両日、鹿児島市の鹿児島女高で4練習試合をこなした。戦績は1勝2敗1分だったが「確実に成長している」(平川正志監督)ことを実感できた鹿児島遠征だった。

 遠征に参加したのは部員10人とマネジャー2人の12人。日頃は大島高以外、高校生と対外試合をする機会がなく「上位レベルのチームを肌で感じる」(平川監督)のが目的だ。弓削華蓮主将以外は、中学時代、ソフトボールや野球の経験がない。夏休みの8月に遠征した際には強豪・鹿女高に0―23と手も足も出なかった。

 今回は、初戦1―22、2戦目1―15。まだまだ力の差はあるが失点が少なくなり、2戦目は先制点をとることもできた。龍桜高とは9―9の引き分け、指宿商高には20―11で勝利した。

 昨年11月から投手を始めた白井舞の制球が安定し、四死球から崩れることが少なくなった。攻撃では盗塁やエンドラン、スクイズなど思い切った攻めを仕掛ける。監督の指示を待つだけでなく選手自身が考えてサインを出すこともある。「考えてプレーする。ミスをしてもいいから積極的にチャレンジする」ことを平川監督は試合中、言い続けた。

 最終戦の龍桜戦は中盤まで大量リードしながら、攻撃の手が緩んだところで流れが変わり、エラーが続いて同点に追いつかれた。七回表は相手の好守に阻まれて勝ち越し点を奪えず。勝ちがなくなり、流れが相手にある苦境だったが「いつもより集中して緊張感をもって守れた」(弓削主将)。イージーなフライを落とすなど守備のミスもあったがエース白井は「四死球を出さず、常に気持ちの切り替えを言い聞かせた」と無失点で切り抜け引き分けに持ち込んだ。平川監督は「まだまだ伸びしろがある。本当に伸びるかどうかは自分たち次第」と檄を飛ばした。

 未経験者、少人数のチームだが「素直で、うまくなりたい気持ちのある選手が多い」と就任1年目の平川監督は感じている。日頃の練習の最後に全員で「全国制覇!」を唱和するなど、高い意識を持つことの大事さを教えている。サッカー部、ラグビー部、バスケットボール部、野球部などと並んで「学校を元気にするカンフル剤になって欲しい」と期待を寄せる。

 今回の遠征で「まだまだ努力が足りない」と感じた白井は「制球を磨いて、みんなが守りやすい投手になる」と誓った。弓削主将は「強いチームから学んだことを奄美に持ち帰って、もっと強いチームになる」と意気込んだ。まずは4月の県大会で7年間達成していない「県大会勝利」を目指す。
     (政純一郎)