屋久島寄港条件を緩和

屋久島寄港条件を緩和

屋久島寄港の試験運航を行っている「フェリー波之上」。マルエーフェリーが寄港条件引き下げを発表(提供写真)

運航日4日前、2人以上予約に
マルエーフェリー「波之上」 「利用促進に期待」

 マルエーフェリー㈱は22日、鹿児島航路(鹿児島―奄美群島―沖縄)に就航している「フェリー波之上」上り便の屋久島寄港に関して「寄港条件の引き下げを決定した」と発表した。現在、運航日10日前までに20人以上の予約がある場合に屋久島に寄港するとしている条件を「運航日4日前までに2人以上の予約がある場合、屋久島に寄港する」と条件緩和を決めた。実施時期は4月1日(日)の沖縄・那覇港出港(翌2日屋久島寄港)便から適用。乗船には事前予約必須。奄美の関係者は「利用促進につながる」と期待している。

 「フェリー波之上」(8072㌧、定員707人)は、今年3月4日便から屋久島寄港を実施。3月から1年間、試験的に計画。

 同社は寄港条件引き下げに至った経緯について「鹿児島県および地元市町村において、2018年度、屋久島寄港に対する運航支援が予定されている。当社は県や地元市町村のサポートや期待を受け、より多くのお客さまに乗船していただきたいという思いから、寄港条件引き下げ判断に至った」と説明している。県は18年度当初予算の新規事業で「世界遺産『奄美・沖縄―屋久島』を結ぶ航路支援事業」1575万円を盛り込んだ。

 運航日の4日前時点で予約人数が2人に満たない場合は、屋久島に寄港せず、奄美大島・名瀬港から鹿児島へ直行する。

 「寄港条件等の各種案件は九州運輸局の承認および認可済み」としている。

 4月1日以降の寄港予定便は、同月5日、9日、13日、17日、21日、25日、29日。運賃は3月限定のキャンペーン割引を実施していたが、4月以降は元の運賃に戻る。名瀬港から屋久島・宮之浦港行きの2等和室運賃は、大人8050円、子ども4030円。2等寝台以上は、以下の料金▽特等1万2080円▽1等8050円▽寝台A4530円▽寝台B2050円―をそれぞれ加算する。

 3月の屋久島寄港実績は、4日寄港あり(22人)、8日寄港なし(6人)、12日寄港なし(0人)、16日寄港あり(23人)、20日寄港あり(20人)、24日寄港なし(8人予約)、28日寄港あり(21人予約)。

 奄美群島広域事務組合の朝山毅管理者(奄美市長)は「屋久島寄港の運航条件が大きく緩和され、一層利用しやすい環境が整ったことは今夏の世界自然遺産登録を控える奄美にとって大変喜ばしい。島々をつなぐさらなる交流拡大に期待している」と船会社側の尽力に感謝した。奄美大島観光協会の越間得晴会長は「ハードルが低くなり寄港回数が増えると思う。島外の人々にプロモーションしていきたい」と話した。