古仁屋 4季連続初戦突破

4季連続となる初戦突破を果たし、高らかに校歌を歌う古仁屋ナイン=鴨池市民

中盤畳みかけ逆転勝ち
春高校野球第6日

 【鹿児島】第142回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第6日は27日、鹿児島市の鴨池市民、姶良市の姶良、両球場で2回戦5試合があった。

 奄美勢は古仁屋が川薩清修館・蒲生と対戦。先制されたが中盤畳みかけ逆転勝ちし、4季連続で初戦突破した。

 第7日は28日、両球場で3回戦6試合がある。奄美勢は奄美が尚志館と対戦する。

  試合結果は次の通り。
  =鴨池市民=
◇2回戦第2試合
川薩清修館・蒲生
0100000001
00031200×6
古仁屋
【川】前本、礒脇―礒脇、新改
【古】永井、宮之原―森田
 ▽三塁打 惠(古)▽二塁打 榮(古)
(川)
31512312017
打安点振球犠盗併失残
26652634025
(古)

 【評】1点を追いかける古仁屋は四回、無死一二塁で4番・恵が右中間を破る三塁打を放って逆転。一死一三塁で重盗を決め更に1点を加えた。五回は1番・徳田の右前適時打で加点。六回は一死からエラー、連続四球で満塁とし、7番・永井の右前2点適時打でダメ押した。先発のエース永井は三回以降立ち直り、八回からは2番手・宮之原が好投し、追加点を許さなかった。

【2回戦・川薩清修館・蒲生―古仁屋】2回表二死一三塁、一走が一二塁間に挟まる間に三走・東が本塁を狙うも好返球でタッチアウト。捕手・森田=鴨池市民

 

「言い訳しない」から「勝負する」チームへ 古仁屋

 昨秋9人で県大会に出た古仁屋は「9人を言い訳にしない」(鳥丸大輔監督)ことを心意気にしていた。一冬を越えた春は「高校野球で勝負する」とテーマもレベルアップ。初戦は勝負強さが身に着いたことを印象付ける勝ち方ができた。

 立ち上がり、守備が落ち着かずに失点し、劣勢の展開だったが、4番・惠栄光の一振りが覆した。四回裏無死一二塁の好機に逆転の右中間三塁打を放った=写真=。前の打席で打ち上げて凡フライだったのを修正し「重心を低くして、低い打球を打つ」ことを意識した。主砲が「チームのお手本」(鳥丸監督)のような打撃をしたことでナインも勢いづく。六回は四球、エラーで出た走者を、そつなく適時打で返すなどで畳みかけた。

 「僕たちは波があるチーム」と永井辰平主将。大会前、喜界と練習試合をした際にはミスの連鎖で1イニング12失点したこともあった。鳥丸監督は試合直前、あえてそのことを話し「だからこそ、謙虚に1つ1つのプレーを丁寧にする」大事さを説いた。

 序盤はエラーも出たが、すぐに切り替えて次のアウトをとった。「立ち上がり、悪い流れだったけど、自分たちのペースに持ってくることができた」ことに永井主将は勝負強くなったことを感じた。

 思い返せば3年前の夏、古仁屋は川薩清修館に0―27で五回コールド負けだった。島を出る前、永井主将は、当時1年生で試合に出ていた卒業生の中江好輝・前主将から「リベンジしてくれよ!」と激励されたという。この3年間、人数はいつも試合に出られるギリギリの人数だったが、それを言い訳にせず、コツコツと練習を続けてきた先輩たちの姿は、現チームの選手たちにも引き継がれた。

 3回戦の相手はシード鹿屋中央。「一球入魂の気持ちで、1人1人の力を出し切る」と惠。永井主将は「どんな展開になっても自分たちの野球をする」と意気込む。本物の「勝負強さ」を身に着けるためには絶好の相手だ。     (政純一郎)