徳之島愛ランド広域連合

ごみ処理施設の「延命」整備・現在地維持方針で、後手に回った地元住民説明会=5日夜、伊仙町西目手久公民館

泥縄対応に批判も
ごみ処理施設、現地維持へ 後手の住民説明会
たたき台を協議、再提示方針

  【徳之島】徳之島愛ランド広域連合(高岡秀規連合長)は5日夜、2003年度に運用開始して当初計画での耐用年数15年を経た「徳之島愛ランドクリーンセンター」(伊仙町西目手久)を延命整備して継続運用する方針案で初の住民説明会を開いた。住民側は、各町「15年持回り」協定など議事録が存在せず、説明会も後手に回った点などを厳しく指摘。当局側は陳謝して、次期移転先や整備基金計画などたたき台を協議、再提示する方針を示した。

 同クリーンセンター設置地区の同町西目手久公民館であり、地元住民や広域連合当局、同連合議会議員など関係者約40人が出席。西目手久集落の窪田孝司区長は「賛成・反対の厳しい運動もあって『15年経ったら移転する』ということだった。公文書に残さなかったことが一番の問題。3年間で(延命)整備し継続するということだが、コスト面や最終処分場ありきではなく、地元と文書を交わし、後世によい集落を残せるようにしたい」と前置きした。

 高岡連合長(徳之島町長)は「賛成反対の大きな混乱の中でこの目手久地区に設置され、皆さんには深く感謝したい」。その上であらためて「当初は焼却灰の最終処分場が15年で満杯になると予測(現在約60%)。コストや住民負担の削減には延命した方が良い、との考えで今回に。2030年度までは現施設を使わせていただきたい」と理解を求めた。

 住民側からは「30年度以降はどうするの。約束通りに他(町)に造ればいい。期限が過ぎてなぜこの時期か」「(延命継続を)新聞で知ってショックだった。耐用年数は最初から決まっている」「切羽詰まっての説明会。連合議員に突っ込まれて茶番劇みたいなことをせず、もっと早くするのが筋だった」など泥縄的対応を厳しく問う声が噴出した。

 副連合長の大久保明伊仙町長は「町議会や連合議会でも(延命整備の)方向性は示した。詳細な住民説明が遅れたことは心からお詫びを申し上げたい」。あらためて「延命でやっていきたい。(その後は)早めに新しい焼却炉を造るかリサイクルの形でいくか、住民の意見を聞いて結論を出さなければならない」と理解を求めた。

 連合議員は「次期移転地を先延ばしせずに、3町長で話し合って場所を決め、基金積み立て計画などを含め住民に報告。臭いなど迷惑を掛けており、(地元)交付金とかも考えるべき」。協議は3時間近くに及び、住民側の「最終処分場の満杯が基準ではなく、『あと何年で移動する』など結論のたたき台を」との意見にほぼ集約。当局側は協議・再提示していく方針を示した。