エコツアーガイド研修スタート

西村千尋教授(左奥)の説明を聞く受講生ら=知名町=

沖永良部皮切りに各島で

 【沖永良部】2018年度奄美群島エコツアーガイド初期段階育成研修(奄美群島広域事務組合主催)が14日、沖永良部島でスタートした。研修は全7回。今後各島で行われ、受講生は1年間を通して、エコツアーガイドに必要な伝える技術やツアープログラムの作成方法などを学ぶ。

 地域の自然や文化を楽しみながら、環境保全の大切さも伝える「エコツアーガイド」に興味のある人を対象に、今年度は群島全体で153人の申し込みがあった。内訳は、奄美大島95人、喜界島10人、徳之島21人、沖永良部島13人、与論島14人。

 この日は、知名町に今年3月完成した「おきのえらぶ島産業クラスター創出拠点施設」(旧下平川保育所)で第1回目の研修を実施。島内と徳之島から15人が参加した。

 講師は、長崎県立大学地域政策学科の西村千尋教授が担当。インタープリテーション(伝える技術)やホスピタリティ(おもてなし)について授業を行い「奄美に来て終わりではなくて、そこから先の島に足を伸ばしてもらうためにも、そこでしか体験できないものを作る」「ツアーガイドが、コーディネーターとして地域に住むいろいろな人を巻き込むことも大事になってくる」などと説明した。

 徳之島町徳和瀬在住の山口久代さん(55)は「東京から徳之島に移住して10年になる。今年から民泊を始めたので、ガイドの基礎を勉強するために受講した。もっと島のことを知り、観光客にPRできるようになりたい」と語った。

 同組合の職員は「奄美の世界自然遺産認定が予定されている中で多くの申込者があり、関心の高さを実感している。地元の人に島の宝を知ってもらうことが発信につながる」と話した。

 研修では、野外救急法やリスクマネジメントのほか、ツアープログラムの作成、集落歩き(来年2月中)なども予定している。