温かく盛大な送別会

アオサの天ぷら、徳之島のジャガイモなど腕によりをかけた料理を前に、シマ唄を披露する指宿桃子さん


紙テープが投じられる中、別れを惜しむ参加者たち

唄者・指宿さん来月からピアノ教師に

 【東京】「桃子ちゃん、ありがとう!」。東京奄美会青年部(高田秀輝青年部長)と、36年丑寅会(盛田弘国会長)は20日、港区にある奄美料理店「和ごころ・あまみ」(新橋3―22―2、叶実統代表)で徳之島に帰郷することとなった唄者・指宿桃子さんの送別会を開いた。指宿さんは参加者に温かく見守られ、盛大に送り出された。

 送別会の会場は、伊成美さんと、ユニットの「すもも」として、各地で活動してきた彼女にとって思い出深い所。指宿さんは、「7回ほどここで歌わせてもらいましたが、叶さん夫妻にいつも優しくしてもらい、満員の方たちに温かく迎えてもらいました。本当にありがたかったです」と、振り返った。

 代表の叶実統さんの母・叶美恵子さんが、指宿さんの祖父母と旧知の間柄だったのも、何かの縁だった。「シマ唄を通じて奄美を紹介してくれて、ありがとう」(盛田さん)。「東京のことを忘れずに、頑張ってほしい」(奄美市東京事務所・信島賢誌所長)と贈る言葉が続くなかで、叶さんの妻・広美さんは「天真らんまんな桃ちゃんがいなくなるのは、寂しいですね」。我が子の旅立ちを見送る視線で話した。

 指宿さんは、感謝を込めるようにシマ唄を熱唱。聴衆はいつものように癒やされ、本人もまた島出身の人たちから励ましをもらったことを思い出していた。

 「行く私を、自分で思い唄いますね(笑い)」と、「行きゅんにゃ加那」も歌い上げた。紙テープの粋な演出で見送られた指宿さんは、5月から実家でピアノの教師として活躍する。