民泊利用者、年間延べ170人

住用町内の民泊施設運営者

すみようヤムラランド 一人旅、家族連れ観光多様
「宿泊先の選択肢広げたい」

 個人宅を宿泊所として観光客を受け入れる「民泊」事業が奄美市住用町内で昨年5月にスタートして、きょう1日で1年を迎える。事業を担うNPO法人「すみようヤムラランド」(満田英和代表)は下部組織「すみよう体験民宿・モダマの会」を立ち上げ、4軒を開業。宿泊と自然散策体験メニューが一緒に味わえるとあって、奄美大島島外から家族連れなど50組述べ約170人が利用した。同NPOの古薗孝太事務局長は「地域ファンを増やし、地元の暮らしと観光振興の両立を図りたい」と意気込んでいる。

 同町西仲間の「パンの木・しょうてん庵」は農産加工品ジュースやジャムづくり、集落散策。同見里の「ルパン爺とすずめの宿」は菓子づくりや大島紬着付け。同役勝の「ほぉらしゃ家」(満香恵子さん宅)は役勝川での水遊びやマングローブ散策、「はっぴーファーム」(坂本志麻さん宅)はファミリーを対象にキャンプ体験も可能。各施設のプログラムはバラエティーに富んでいる。

 事務局によると、事業は前半まで利用数はやや低調だったが、インターネット情報やSNSを通しての魅力が伝わり、秋ごろから予約が急増。
“売り”となっている地域交流と体験メニューに「奄美でしかできないことを子どもに味わわせたい」として予約を入れる家族や一人旅の利用が着実に増え、リピーター率も高い。

 一方で、メニューは事前準備が必要なため、関係者は「急な予約に日程調整がつかず、希望に添えないことも少なくない」として、今後、受入れ態勢の拡大に努める考えだ。

 同NPO前代表の和田美智子さんは自身も民泊施設を運営。一人旅の利用者が八月踊りの練習に飛び入りし喜ばれたエピソードを明かし、「宿泊客の選択肢として認知度を高めることが重要。今後も工夫を凝らし、『泊まる魅力』を島外に発信していく」と語った。

 宿泊数は1軒当たり5~8人。料金は1泊2食付、体験メニュー込みで8500円~。

 問い合わせは(電話)0997―69―5081(事務局)まで。