火縄銃を龍郷町に寄贈

火縄銃を龍郷町に寄贈

火縄銃を龍郷町に寄贈した若志ヤヨイさん(左)、若志茂義さん(中央)、竹田泰典町長

高祖父の松崎氏所有 子孫の若志ヤヨイさん
西郷が久場で親交の話も

 龍郷の久場に住んでいた松崎宗次郎氏が所有していた「火縄銃」贈呈式が2日、龍郷町生涯学習センターりゅうがく館2階文化財展示室であった。松崎宗次郎氏は文政6(1823)年生まれ。寄贈した若志ヤヨイさん=奄美市住用町石原在住=の高祖父にあたる。火縄銃の長さは約1・2㍍。

 火縄銃は、4月20日から開幕した町文化財展示室特別企画「西郷隆盛と菊次郎展」会場に展示されている。

 贈呈式には、若志ヤヨイさん(74)の夫・若志茂義さん(83)が同席。若志さん夫妻を紹介した後、竹田泰典龍郷町長が感謝状を贈呈。竹田町長は「貴重な歴史的資料を寄贈していただき、ありがとうございます。広く町民に知ってもらえるよう文化財展示室に展示し、活用していきたい」とお礼を述べた。

 ヤヨイさんによると、火縄銃は祖父の牧仁一氏が大事に保管し、その後、ヤヨイさんの自宅の床の間に飾っていた。昨年、町生涯学習センターりゅうがく館ができることを新聞で知り、町に寄贈することを決めた。

 祖父の牧仁一氏から聞いた話によると、松崎宗次郎氏は、鹿児島の喜入町仮屋崎生まれ。鹿児島から笠利の大笠利、その後、龍郷の久場に移り住んだ。「宗次郎氏はイノシシ捕りがうまかった。宗次郎氏が37歳のとき、西郷隆盛が龍郷に潜居しており、歳も近く、鹿児島弁をしゃべることができるので西郷隆盛は松崎邸へよく足を運んできた」との内容を聞かされたという。火縄銃は「当時、イノシシ狩りなどに利用されたのであろう」としている。

 ヤヨイさんは「祖父が大事に保管していたもの。大昔の文政生まれの人が持っていた火縄銃。多くの町民に見てもらいたい。ケースに入れきちんと飾ってあり、祖父も喜んでいると思う」と話した。