ハブがクロウサギのみこむ

ハブがクロウサギのみこむ

ハブがクロウサギの幼獣を頭からのみこもうとしている貴重なシーン(提供写真)

奄美大島山中 ナイトツアー時に遭遇

  ナイトツアーフィールドワークを行う奄美市名瀬小湊の西真弘さんが6日未明、奄美大島の山中でアマミノクロウサギの幼獣をのみこもうとしているハブを目撃し写真を撮影した。西さんは初めての目撃例とし、ナイトツアー時の貴重な体験を振り返った。

 西さんによると、リピーターの家族3人組を奄美大島の森でナイトツアーのガイド中に遭遇したという。最初アマミノクロウサギの母親とみられる成獣を発見し、ライトに照らされながらもその場を離れず足踏みしていたので何かあるだろうと考え、周囲に注意を払っていたらクロウサギの幼獣がハブにのみこまれようとしている姿を目撃した。

 ハブは体長約1・7㍍の金ハブ。西さんは、「クロウサギは咬まれて死亡し、ハブが頭から丸のみを試みたのではないか」と推測する。

 西さんは、これまでハブがケナガネズミなどネズミ類をのみこむ姿は目撃例があるとし、今回のクロウサギが丸のみされそうになっている姿は初確認としている。「案内していた生き物が好きな家族客も、興奮して感動して写真撮影に夢中だった」。

 その後、成獣のクロウサギと幼獣を口にくわえたハブは別々に森の中へと姿をくらましたという。

 西さんは、「おそらく今年巣立ったクロウサギが、ハブにやられたのでないか」と推察。貴重な場面に遭遇し、「奄美が世界遺産になろうがなるまいが関係ない。奄美の自然はダイナミックですばらしいものと実感した」と語った。

 専門業者によると、「ハブがクロウサギを丸のみしようとする例はあまりなく、旧名瀬保健所で標本資料を見たことがあるぐらい」という。