死亡事故現場診断

男性がはねられ死亡した交通事故現場を診断する関係者ら=11日、奄美市名瀬大熊町=

信号設置・標示の塗り直しを
「ソフト対策すぐできる」 名瀬大熊町

 4月27日夜、奄美市名瀬大熊町の県道を走行中の軽4輪貨物自動車が、横断歩道通行中の男性(79)をはね、死亡させた事故の交通死亡事故現場診断(奄美署主催)が11日午後あった。検討会の場で住民らは信号設置や、道路標示の塗り直しなどを求めた。

 同事故は4月27日午後7時50分ごろ発生。同市名瀬有良方面から名瀬朝日町方面に県道を走行中の車両に男性がはねられ死亡したもの。現場は見通しの良い直線道路。夜間でも街灯があり、運転に支障が出るほどの暗さではない。一方、建設中の自衛隊基地への工事車両の通行が多く、基地完成後も隊員の通勤などにより交通量が増加することが見込まれるため、現場診断と検討会実施に至ったという。

 この日は同署署員や交通安全協会、行政、町内会関係者ら約20人が参加。犠牲者への黙とうをささげた後、大川隆則署長は「10日現在で管内の交通人身事故は34件と昨年の同じ時期より約3割増加している。このあたりで二度と事故が起こらないように忌憚=きたん=のない意見を出し合ってほしい」と要望した。

 現場周辺の道路環境確認後、大熊公民館で検討会を実施。住民からは「工事車両が多く通り、また山の方から下ってくる車はスピードが出てしまう」との声が多く、信号、標識、路面標示の設置や、横断歩道が識別しやすいようにする反射材のついたラバーポールを横断歩道付近に設置するなどの意見が出された。

 奄美署の久保和隆交通課長は、「路面標示の塗り直しなどは順次行っていきたい」とし、「夜間の歩行時には夜光反射材などを身に付け、横断歩道通行時に左右を確認してほしい。ソフト面での対策は今からでもできる」と呼び掛けた。