闇夜にぼんやり

闇夜にぼんやり光るシイノトモシビダケ(西康範さん撮影)


同じ個体だが日中は光が弱いため光る姿は観察が困難(西康範さん撮影)

「光るキノコ」今年も出現
龍郷町長雲・観察の森

 龍郷町長雲の奄美自然観察の森で、「シイノトモシビダケ」が出現する時期となり見頃になっている。闇夜にぼんやり浮かび上がる“光るキノコ”として、夜の自然観察の人気者だという。

 シイノトモシビダケは、5~8月終りごろにかけて朽ちたシイの木や樹齢が古いシイの木に生える発光しているキノコ。国内でも限られた地域でしか発見されておらず、奄美大島では同施設内のみとされている。

 大きいものでは高さ、カサの大きさともに2㌢程度に成長するものも。一般的に多く見られるのは、5㍉~1㌢程度のもので、食べられたり雨で落ちたりして平均2~3日の間しか観察できないという。

 一日中発光しているが光が弱いため、日中に光る姿を目撃するのは難しいとされる。発光することで虫などをおびき寄せ、キノコを食べさせ、フンを媒介に胞子を拡散させるなどの説があるが詳細は不明。

 観察に際して梅雨入りし、ハブなどのヘビ類が活発になる時期と重なっているため、▽草やぶに入らずハブに注意すること▽虫刺されを防ぐために、長袖や長ズボンを着用すること―などを同施設の自然観察指導員・川畑力さんは呼び掛けている。