「畑かんマイスター」10人に増強

委嘱を受けた徳之島地域「畑かんマイスター」と大久本部長(前列中央)

模範提示、同意率向上にも協力 徳之島地区

 【徳之島】徳之島地域総合営農推進本部(本部長・大久幸助天城町長)の「畑かんマイスター」委嘱状交付式が18日、同町役場であった。畑地かんがい営農の模範となる初代マイスター3人から計10人に増強した。同地域畑地かんがい営農ビジョン(2014年度策定)に基づき、国営徳之島用水土地改良事業(徳之島ダム)受益地区への県営畑かん設備同意の拡大にも協力する。

 同営農推進本部「畑かんマイスター」の目的は、①畑地かんがい営農の積極的な実践②同営農実践など地域農業者への紹介・PR活動③同営農に関する行政などへの提言や地域における助言など。任期は3年間。3年前、各町の模範的畑地かん営農を実践している各町推薦の〝達人〟3人を初代マイスターに委嘱。今回は新規7人を加え一挙10人とした。

 大久本部長は、17年度末で事業完了して現地事業所も閉鎖した国営用水事業にふれ「今後は私たちで動く時期になった」。畑かん受益対象面積(計3451㌶)に占める同設置事業同意率(17年度末現在)が天城町18・3%、徳之島町13・2%、伊仙町5・0%と低迷している現状も憂慮。「80%まで持っていかないと運営が大変厳しくなる。子や孫のためにも〝雨待ち農業〟の土地をなくそう」と協力を求めた。

 委嘱状を受けた畑かんマイスターたちは「花き農業を始めて、水を探すのに苦労した。今後はやり方しだいで成功できる」「一段と責任感を感じている。地域のため自分のため頑張る」「(水効果で)小さいながらも効率の良い農業。水をかけることで収量が上がることを伝えたい」「水利用効果の高い新規作物も探したい」などと力強く抱負を述べた。

 引き続き畑かんマイスター連携会議、同マイスターと関係機関の語る会などもあった。

 「畑かんマイスター」(敬称略)は、▽徳之島町、富田良一(亀津)、新谷博司(花徳)、川上福良(下久志)、福岡輝男(亀津)▽天城町 新田功吉(松原)、上岡弘明(浅間)、西松和茂(天城)▽伊仙町 谷村清次(木之香)、川本博光(同)、太田淳一(阿権)。