中学道徳の教科書に「奄美島唄」

中学道徳の教科書に「奄美島唄」

奄美の島唄が教材として収録されている道徳教科書

東京書籍・19年度用発行 指導書CDなどに唄者も
全国の学校授業で広まり期待

 東京書籍㈱はこのほど、2019年度用の中学校道徳の教科書を発行した。郷土愛を育む項目に奄美島唄と島唄に関する作文が掲載されており、全国の学校の授業で広まることが期待される。

 道徳は15年3月に告示された学習指導要領の一部改訂で、「特別の教科 道徳」として教育課程に位置付け。検定教科書が18年度から小学校、19年度から中学校に導入される。

 掲載されているのは、同社の中学3年用の道徳教科書『明日をひらく』。該当ページは指導要領解説書で、「郷土の伝統と文化の尊重、郷土を愛する態度」を学習内容としている。

 「島唄の心を伝えたい」との題で、島唄「朝花節」「行きゅんにゃ加那節」の2曲と全国作文コンクール受賞作の喜界島中学生の作文を収録。作文では島唄を習い始めた中学生が、奄美では「歌半学」として島唄の歌詞には先人の知恵や、歴史、文化が込められている点を知り、「やめようと思った島唄教室を続けていき島の心を大切にしたいと思い、これからも島唄を唄い続けていきたい」と結ばれている。

 島唄は方言の歌詞にふり仮名が付けられ、歌の意味も一緒に掲載。またデジタル教科書版には、島唄を唄っている映像も記録予定。

 同社の中学2年生用の道徳教科書には、龍郷町の名誉町民・西郷菊次郎の功績を紹介するコーナーも掲載されている。