世界遺産エリア外が勝負

奄美経済同志会で講演した東川さん

東川さんアドバイス「地域しっかり見つめて」
経済同志会総会

 奄美経済同志会(会長・有村修一有村商事㈱社長)は25日、奄美市名瀬の集宴会場で2018年度総会を開いた。17年度事業報告や18年度予算案など2議案を承認。NPOまちづくり地域フォーラム・かごしま探検の会の東川隆太郎代表理事の講演「奄美の自然・歴史・文化を生かしたまちづくり」も行われた。

 18年度の事業計画は、例会と国内を対象にした視察研修旅行を予定。その他で新規会員として、赤穂産業㈱の入会が報告された。

 総会終了後に、NPOまちづくり地域フォーラム・かごしま探検の会代表理事で県観光アドバイザーの東川さんが講演。奄美大島が多くの観光客などに選ばれる地域として可能性がある点や、リピーターやファンを増やして活性化につなげるヒントなどが語られた。

 東川さんは「西郷どん」の史料取材に協力した縁で、主演の鈴木亮平さんからオリジナルTシャツをプレゼントされたという。そのTシャツを着用して登壇し、「Tシャツの前面には、当時の女性が手に施したハジキ(入れ墨)などがデザインされている」と話した。

 全国の各地でまちづくりの取り組みが見られる中で奄美大島が観光客から選んでもらうために、▽みんなが地域を自慢する▽面白い人がいる。面白いことがある▽そこにしかない価値と物語がある▽いろんなことが分かりやすい▽来訪者とつながることができている▽面白いが継続できる仕組みがある▽居心地のよい「場」があり「仲間」がいる▽定期的に活動を評価できる仕組みがある―などとした。

 13日から奄美編に入った「西郷どん」について、個性際立つ奄美の風景や文化、愛加那が島妻ではない点などが描かれているとして評価。東川さんは、「奄美は西郷にとって再生の場。奄美の知名度が上がった。大河ドラマはまちづくりのきっかけになる」と話した。

 奄美の世界遺産登録にも触れ、「登録手続きや保護施策などは行政に任せ、民間では世界遺産エリア外の理解度と満足度、面白さが勝負だろう」「リピーターやファンは観光スポット以外に、路地裏のような新しい発見やつながりを求めている。地域をしっかり見つめながら時代に合ったものを出してほしい」とアドバイスした。