ふれあい和光塾開講

2018年度ふれあい和光塾が開講。思い思いの作物を植え付ける受講生ら

収穫期待し苗など植付け
農業体験、入所者らと交流でハンセン病理解

 

 奄美市名瀬和光町の国立療養所・奄美和光園(加納達雄園長、入所者24人)の入所者らと交流を通じ、ハンセン病理解を深めてもらうことなど目的にした「ふれあい和光塾」(事務局・市教委生涯学習課)の18年度開講式が26日、同園内の農園であった。受講する家族らは、割り当てられた畑スペースに思い思いの作物を植付け、収穫を期待した。

 同塾は、ハンセン病への正しい理解や啓発、農業体験を通じた親子の絆も深めてもらおうと、2004年度から始まり今回で15年目。新規参加の11家族を含め、今年度の登録は全24組・89人(1年ごと更新)。それぞれ割り当てられた畑で作物を栽培することができる。

 開講式で、同園の加納園長は「入所した方々にとって、この場所は労働の場であり、収穫する喜びの場。受講者皆さんの生活の一部に、和光園があることをうれしく思う。良い思い出を作ってほしい」などとあいさつした。

 式後早速受講者たちは、あらかじめ耕された各畑スペースに、家族の名を記した立て看板を設置したり、スコップでうねに穴を掘り、苗を植付けて収穫を期待した。

 小学2年の息子と初めて受講する米田美奈子さん(35)は「ハンセン病のことを、子どもにも知ってもらいたい。自分で育てた野菜を食べるありがたみも感じてもらえたら」と話した。

 好物のトウモロコシを植えた謙佑君(6)は「作業は大変だったけど、大好きなトウモロコシをたくさん食べられるのが楽しみ。水やりと草取りを頑張りたい」と笑顔を見せた。

 現在の同施設の入所者は24人(男性7人、女性17人)、平均年齢は85・0歳。