徳之島きび生産振興大会・感謝デー

徳之島きび生産振興大会・感謝デー

生産者ら約400人が参加した徳之島さとうきび生産振興大会=27日、天城町防災センター

「きび増産で経済活性化を」
低糖度も単収評価

 【徳之島】2018年度「徳之島さとうきび生産振興大会・製糖終了感謝デー」(同島さとうきび生産対策本部、南西糖業主催)が27日、同3町の生産農家など関係者ら約400人が参加して天城町防災センターであった。台風・潮風害で記録的低糖度に見舞われた17/18年期をふり返りつつ優秀農家などを表彰。「きびの増産で経済の活性化を」など大会スローガンを宣言した。

 同島3町の17/18年期生産量の実績は19万1995㌧(前期比3万544㌧減)、10㌃平均単収5・5㌧(同0・674㌧減)と「平年並み」。だが、昨年10月下旬に襲来した台風・潮風害(塩害)が尾を引き深刻化。平均糖度が12・49度(前期比マイナス1・38度)と品質取引開始(94/95年期)以降最低となり、南西糖業㈱の製糖歩留まりも操業51年間で最低を記録した。

 生産対策本部長の大久幸助天城町長は、生産者手取り平均価格がトン当たり「前期比1939円安」と深刻化し、国の支援も決まったことなども報告。「徳之島経済を支える大きな産業のキビを今後もけん引して欲しい。徳之島ダムも完成し、全作物の増収と台風時の潮風害の軽減も図られる」と増産を呼びかけた。

 関係機関代表ら祝辞に続いて南西糖業の田村順一社長が製糖経過報告。干ばつ・台風被害の悪条件下にも関わらず「病害虫防除や捕植励行などが奏功」して19万㌧台、単収5・5㌧台を確保できたことを評価。徳之島の砂糖産業再構築への3要素①収穫面積の回復(4千㌶)②単収向上(被害時も6㌧以上)③2工場維持―対策を要望。植え付け省力機開発の取り組みも紹介した。

 優秀農家など表彰の後、県農業開発総合センター徳之島支場作物研究室の西原悟研究専門員が「サトウキビの新奨励品種『農林27号』の品種特性と夏植え株出し体系での収量について」講演。

 大会スローガン「きび増産で経済の活性化」「夏植えで面積拡大」「水利用、適期肥培管理で増産」「きび共済加入60%以上達成」「徳之島宝、きびを守ろう」に関する5項目を宣言。引き続きステージショーや抽選会など感謝デーを楽しんだ。

 表彰は次の通り。(敬称略)

 【生産対策本部長表彰】▽優秀農家 重田巌(天城町)、新納啓武(同)、麓福太郎(同)、元田貴光(伊仙町)、徳富久雄(同)、四本今朝男(徳之島町)、秋本祥輔(同)、市来崎勇(同)、衛村達人(同)

 【南西糖業表彰】▽優良運送会社・運転者 亀津運送(徳之島町・大和のり子)、實運送(伊仙町・實千良)、田井運送(天城町・田井豊一代表)▽優良営農集団 神嶺地区営農推進共同組合(徳之島町・福山辰巳)、㈲上岡商事(天城町・上岡弘明代表)、河地キビ生産組合(伊仙町・美島拓也)▽南西糖業特別賞 採苗班米田組(天城町・米田豊久代表)