徳田虎雄顕彰記念館オープン

完成・開館した「徳田虎雄顕彰記念館」=28日、徳之島町亀徳


玄関横には徳田氏胸像も(除幕式で関係者)


徳田虎雄氏

「奄美の星」軌跡を後世に
徳之島町亀徳 日本と世界の医療変える

 【徳之島】「生命だけは平等だ」を理念に、一代で日本最大の医療グループを築き上げた医療法人徳洲会前理事長徳田虎雄氏(80)の壮烈な生き様や活動の軌跡を伝える「徳田虎雄顕彰(けんしょう)記念館」が、同氏の故郷徳之島町亀徳に完成。28日、竣工式と祝賀会が開かれ、日本と世界の医療を変えた「奄美の星」の軌跡を島の若人に伝えて〝第2、第3〟の星など人材育成にも期待を寄せた。

 「医療改革の概要など歩みを展示して、世界と後世にその理念の伝播を」と徳之島3町長を発起人に昨春「徳田虎雄顕彰記念財団設立発起人委員会」を発足。徳田秀子夫人の「記念館での学びを通じ、島の子どもたちが夢の実現を」など希望もあり、一般財団法人同顕彰記念財団(越澤靖久代表理事)も設立。多くの賛同を得て昨年5月に着工していた。

 「徳之島の雄大な海に寄り添う記念館」をコンセプトに、場所は徳田氏夫妻の出身地亀徳の「なごみの岬」エリア。規模は鉄骨造り2階建て(延べ床面積1124・18平方㍍)。外観は、医療改革の多大な功績と歩みを、明治・大正期に建てられ日本の重みを感じさせる擬洋風建築のイメージを重ね、高台に映える白亜の殿堂。

 1階には、イベントホールや図書室(蔵書約7千冊)、シアタールーム、徳田氏の誕生から現在までを追った時系列展示コーナー。2階には経営、医療、政治、愛用品・家族などに関する展示コーナーのほか、自由に利用できる喫茶スペースも設置。開放的なバルコニーからは亀徳港や太平洋が一望できる。

 竣工式では、神事に続き顕彰記念財団の越澤代表理事、徳田氏二男で元衆院議員徳田毅氏(㈱徳洲会代表取締役)、長谷川岳参院議員がテープカット。3町長や県議代表ら交え徳田氏胸像を除幕した。

 同町亀津のホテルでの祝賀会には関係者約250人が出席。記念財団の越澤代表理事は「小学3年生のときに弟を亡くした徳田少年は、無理、無駄、無茶苦茶な努力をして大阪大医学部に合格して今日の徳洲会を―。日本の医療と世界の医療を変えた奄美の星の生き様を後世に伝え、第2、第3の星を」。来賓代表らも「地域の将来を担う子どもたちや、志(こころざし)を持った若者たちにぜひ足を運んで欲しい」ともアピールした。

 開館時間は午前10時―午後5時(休館日・火曜日)。観覧料は大人(高校生以上)500円、小・中学生300円。問い合わせは電話0997(82)1700。

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 【徳田虎雄氏】1938年生まれ、徳之島町亀徳で育つ。大阪大医学部卒業後75年に医療法人徳洲会設立。全国に病院建設の傍ら、「生命だけは平等だ」の理念追求に政治力を求め衆議院議員4期歴任(沖縄開発政務次官も担当)。96年日本体操協会会長に就任。「24時間365日オープンの病院体制や救急医療、離島・へき地医療の原点を実践しつつ全国70病院、年商4200億円、従業者3万人の国内最大の病院グループに育成。02年から筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療中。徳之島・天城・知名・伊仙・与論・和泊・瀬戸内・屋久島各町の名誉町民。