「梅雨本番に十分注意を」

災害対応策などの講演があった名瀬測候所防災気象連絡会総会

防災気象連絡会 危険度分布活用など説明
名瀬測候所

 2018年度名瀬測候所防災気象連絡会(会長・別府秀樹名瀬測候所長)総会が29日、奄美市名瀬のAiAiひろば2階会議室で開かれ、危険度分布の活用、地震・津波情報の利活用をテーマにした講演、県総合防災システムに関する説明があった。主催者は「これから梅雨本番、十分注意を」と呼び掛けた。

 会員(28機関)の担当者が出席。別府会長は「奄美地方は5月7日に梅雨入りした。梅雨期間に当たる5、6月の2カ月間降水量は平年約700㍉で、年間降水量2800㍉の約4分の1に当たる。これからいよいよ梅雨本番となるので大雨に十分注意、警戒してほしい。測候所職員も気を引き締めて業務に当たりたい」などとあいさつした。

 「危険度分布の活用について」をテーマに講演した津波古悟予報官は①大雨による災害発生のしやすさは地域ごとにさまざま。過去の災害発生時の「指数」値を調査し、災害と「指数」の関係から地域ごとに「基準」を定める②危険度分布は、土砂災害、浸水害、洪水害の危険度が高まっている状況を地図上で色分けして表示。危険度は黄色→赤色→薄い紫色→濃い紫色の順に高くなる③赤色以上は、危険度が高まっている状況。安全確保行動を取る準備をし、早めの避難行動を心掛けて―などと説明した。

 今年5月に創設されたJETT(気象庁防災対応支援チーム)に関する説明もあった。

 「地震・津波情報の利活用について」をテーマに講演した松本泰幸技術専門官は、奄美太平洋沖地震(北部)が発生した場合の特徴を説明。▽震源が近いため、太平洋側では津波到着が早い▽震源と反対側の奄美大島の西側にも津波が回り込む▽笠利・龍郷の沿岸では、喜界島を回り込む波が集中し、高まりやすい▽津波は第一波だけでなく、繰り返しやってくる。第一波が一番高いとは限らない―と説明。

 地震の揺れを感じなくても大津波警報や津波警報が発表されたら「より高い所へ、より安全な場所へ避難を」などと呼び掛けた。