「唄島プロジェクト」始動

奄美大島出身15組の島唄者やアーティストらが参加する「唄島プロジェクト」が始動した

「懐かしい未来へ」10月発売
出身歌手15組など参加 島への想い共有

 イベント制作などを手掛ける(有)アーマイナープロジェクト(麓憲吾代表取締役)がこのほど、奄美大島出身15組の島唄者やアーティストらと「唄島プロジェクト」を始動した。10月初旬頃に、曲「懐かしい未来へ」を発売。ピアニストの村松健さんが楽曲制作を手掛けた。「島への想いを共有する」ことを同プロジェクトの大きなコンセプトに据えているという。総合プロデュースを務める麓代表は「時代が変わっても、『懐かしい』という想いを未来にも伝えていきたい」と意欲を語った。

 奄美市(プロジェクト推進課)の事業委託を受け、同プロジェクトは始動。麓代表が出身の歌手、島唄者らに呼びかけ、「『想い』を『形』にするため、官民一体で紡ぐプロジェクト」として、CD制作のほか、映像制作も予定され、唄島の魅力発信を目指す。

 29日、奄美市名瀬の大浜海岸野外スペースで記者会見が開かれた。麓代表、楽曲プロデューサーの村松さんほか、参加歌手の元ちとせさん、中孝介さん、カサリンチュ、城南海さん、RIKKIさん、里アンナさん、我那覇美奈さん、中村瑞希さん、前山真吾さん、楠田莉子さん、森拓斗さん、西平せれなさん、サーモン&ガーリックさんが出席した。

 会見では、参加の感想、次世代につなぐ島の自然・文化についての質問に参加アーティストらが一人ずつ答えた。

 「歌うたびに良くなっていく曲、長く歌われ続ける曲になると思う」(カサリンチュ)、「素敵な楽曲を歌わせていただき光栄」(城南海さん)、「仲間が集まり島の大切さを感じ、楽曲が出来たことがうれしい」(元ちとせさん)、「とってつけたような自然・文化でなくあるがままを伝えていけたら」(中孝介さん)、「次世代の人たちが奄美に誇りを持てるような音楽を届けられたら」(前山真吾さん)。

 楽曲「懐かしい未来へ」は麓代表とサーモン&ガーリックのサーモンさんが作詞し、その後村松さんがメロディーをつけ編曲。一曲について「島唄・ポップス」と表現し、「不思議なことに曲が出来上がった時に、どこの部分を誰に歌ってもらうかすんなり決まった。歌詞を語るように歌ってほしいところ、鳥のようにさえずってほしい箇所など…。『グルーヴ感』を加えた楽曲。参加歌手でうねって歌っていくような曲になっていけば」と期待を込める。

 曲の時間は6分半。27日から30日までの期間でレコーディングされ、アカペラバージョンも収録される。CDの売り上げの一部は、自然保護や文化活動へ寄付される予定という。

 麓代表は「島にいる人たちの意識と、外に住む人の違った意識を合わせたい。想いを共有しなければと思っていた。次世代へ語り継ぐこと、守っていくことへの意識だったり、議論していくきっかけになれば」と語った。