鹿大水産学部「南星丸」初寄港

包括連携も視野に、徳之島初寄港した鹿児島大水産学部所属練習船「南星丸」=5月31日、天城町平土野港

水産振興へ包括連携期待
天城町 船内見学会も

【徳之島】鹿児島大学水産学部附属練習船「南星丸」(幅野正明船長、175㌧)が30日、天城町平土野港に初寄港。教職員や実習生らが乗船しており、同大と連携した水産業振興に期待を寄せる天城町当局や地元の漁業関係者らが歓迎。31日は青少年ら一般対象の船内見学会でも交流した。

同学部附属練習船は「かごしま丸」(1284㌧)と「南星丸」の2隻がある。「南星丸」は学生・教員定員16人。九州沿岸や南西諸島海域を実習海域に日帰りや3、4日程度の短期航海による乗船実習、洋上特別実験などを目的とする。今回の徳之島初寄港は今後の官学連携への布石的な意味合いも秘めていた。

同水産学部の有川博幸事務長によると、その第一歩となったのは天城町商工水産観光課への水産技術専門家の地域おこし協力隊(元東京海洋大学文部技官・益子正和さん)の配置(4月)があった。

交流連携する鹿児島大水産学部と東京海洋大による昨年12月の徳之島合同視察の際に、立ち遅れている地元水産業の振興を模索する天城町当局に呼応。同専門家の紹介に続き、鹿児島大水産学部の研究関連施設など地域創生センター設置をも模索する包括連携協定の可能性―も水面下で探っていた。

「益子氏を置いて展開しやすい地場固めもできた」。実習航海と併せた今回の初寄港と船内公開には「(青少年が)鹿児島大水産学部の船に乗って実習してみたい、と思っていただければと思う。いろんなことを見て体験して将来への選択肢をたくさん持って欲しい」と有川事務長。

約4時間の船内見学には、保育園児や高校生、一般まで計116人が乗船した。