アビリンピック大島大会

アビリンピック大島大会

クリーニング競技を行う選手たち。手前がカーペット床で、奥が弾性床

清掃や接客で職業能力競う

 障がい者の職業技能向上や雇用促進などを目的とした技能競技大会「第2回アビリンピック大島大会」(同実行委員会主催)が2日、龍郷町の県立大島養護学校で行われた。選手たちは、温かい声援や後押しを受けながら、清掃技術や接客サービスなどの多彩な技術を披露し、互いの職業能力を競った。

 アビリンピックは、障がい者が職場や施設などで培った技能を競い、障がい者の雇用促進につなげようと全国各地で開催されている。この日は、ビルの一室に見立てた区画の清掃を行う「ビルクリーニング」とスムーズな接客技術を競う「喫茶サービス」の2種目が実施。県ビルメンテナンス協会会員らがルールに則った厳正な審査をつとめた。

 主催者の向井扶美世話役は冒頭「皆さんには日頃の成果を存分に発揮し、一生懸命頑張っていただきたい」と選手にエール。競技は同校高等部5人がエントリーする「ビルクリーニング」からスタートした。

 ビルクリーニングは、カーペット床・弾性床の2タイプの床を、モップや掃除機を使い各区画の清掃で競うもの。手順の順守や音を出さないよう静かに作業を行えるかが勝敗の基準に。競技が始まると選手たちは、机にいすを上げ、ゴミ箱のゴミを素早く処理し、ちりを取るための掃き作業に移った。

 各選手、手先を器用に動かしながら、手慣れた様子で黙々と作業。途中、手順を間違えながらも落ち着いてミスをリカバリー。「終わりました」と選手の声が挙がると、会場からは選手を称える大きな拍手が送られた。

 日頃から教室や廊下で練習し競技に臨んだという3年・福島萌さんは「緊張したが楽しかった。角にあるゴミが取りにくくて苦労したが上手くできた」と喜んだ。

 続く午後からは、同校・一般選手8人がエントリーする競技「喫茶サービス」が実施。両競技の優勝者は景品が贈られ、県大会への出場権などを獲得した。