奄美大島でも1匹確認

誘殺で確認されたミカンコミバエ


門司植物防疫所名瀬支所での同定作業

瀬戸内町阿鉄 初動対応徹底で定着防止
ミカンコミバエ誘殺

 県は8日、果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエが、誘殺により奄美大島でも1匹確認されたと発表した。徳之島、沖永良部島に続いてで、回収場所は瀬戸内町阿鉄。パッションフルーツなどの果樹農業が盛んで、ミカンコミバエが特に好むグアバも存在するが、関係機関は既にトラップ増設や果実調査(寄主植物調査)に乗り出しており、初動対応の徹底で定着防止に全力をあげている。

 県農政部食の安全推進課によると、県内で実施しているミバエ類の侵入警戒調査により、新たにミカンコミバエ雄1匹の誘殺を確認したもの。瀬戸内町阿鉄での個体回収は7日、門司植物防疫所名瀬支所での同定作業により同日にミカンコミバエと確認された。

 これを受けて8日午前に現地対策会議(国・県・地元町等)を開き、国の対応マニュアルに基づく対応方針を確認。初動対応・防除としては、▽8日から、誘殺確認地点から半径5㌔以内にトラップ増設(68基に17増設)、詳細な状況確認▽8日と20日に半径2㌔以内の寄主植物(グアバ等)を採取し、それぞれ5日間保管後、切開、幼虫の有無を確認▽11日に、半径1㌔以内に誘殺板(テックス板)を約1千枚設置―を展開する。

 町農林課によると、阿鉄集落ではパッションフルーツやタンカンなどの果樹農業が行われており、庭木などとしてグアバも植栽されている。同課は「今回の誘殺は飛び込みによるものとみられており、果樹農業などへの影響を防止するためにも定着による発生を食い止めたい。国や県など関係機関とともに初動対応・防除をしっかり進めていく。不安を払しょくするためにも住民のみなさんに必要な情報を開示していきたい。寄主植物調査への協力と同時に、果実内の幼虫の確認など気になることがあれば、すぐに役場に連絡してほしい」と呼びかけている。

 初動対応は既に着手済み。半径5㌔以内には奄美大島側だけでなく加計呂麻島の一部も含まれることから、国・県・地元の関係機関は5班体制でトラップ増設、果実調査を実施中。週明けの月曜からテックス板設置(10日準備、11日午前中処理)に乗り出す。