伝統行事「がやまき作り」

保護者や集落住民も参加し、名音小恒例の「がやまき作り」が行われた

受け継ぐ大切さ学ぶ
大和村名音小

 大和村の名音小学校(福和人校長、11人)は9日、旧暦5月5日の端午の節句に男の子の無病息災や健やかな成長を祈るための伝統行事「がやまき作り」を行った。児童らは、集落に根付く風習を地域のお年寄りに教わりながら、親子で一緒に文化を受け継ぐ大切さを学んだ。

 がやまきは、もち米と「がや」という植物で作る節句飾りで、家の玄関や軒下、重要な柱などにまつられる。以前は奄美各地でもあったが、現在は同集落だけで行われる貴重な風習となっている。

 会には、地元の高齢者会「むつみ会」(宮島吉盛会長)メンバーが、集まった児童や保護者らに制作方法をレクチャー。毎年恒例となった行事に同会・宮島会長は「本来は家庭で行うものだが、伝統文化が途絶えないよう頑張りたい」と意欲を述べた。

 この日はまず、4~6年生がスライド映像で、端午の節句に関する風習をまとめ、家族や教職員にプレゼンテーション。菖蒲=しょうぶ=湯にまつわる昔話を紙芝居で演じ、こいのぼりの由来やがやまきの作り方なども紹介した。

 がやまき作りでは、親指大に丸めたもち米をがやで包み、むつみ会メンバーの結び方を手本に三本束ねて完成。参加者らは、親子や友達とにぎやかにがやまき作りを楽しみ、後世に残すべき大切な文化を再確認した。

 6年生・登喜健大=たけひろ=くんは「1年生の時からやっているのでもう簡単。貴重な文化なのでこれからも受け継ぎたい」と喜び、福校長は「小さい頃から触れることでいつまでも記憶として残る。大切なことはきちんと残して行きたい」と話した。