トンバラ岩照射灯 46年の歴史に幕

トンバラ岩照射灯 46年の歴史に幕

11日に廃止となったトンバラ岩照射灯(建物中部の窓部分)=提供写真=

 

金見埼灯台、運用変更なし

 徳之島町の金見埼灯台に併設されているトンバラ岩照射灯が11日廃止となり、同日午前10時には奄美海上保安部職員によって同照射灯のブレーカーが落とされた。金見埼灯台の運用に変更はなく3秒に1閃光で点灯するという。

 同照射灯は付近の海事関係者の要望を受ける形で1972年の運用開始。4・1㌔離れたトンバラ岩(高さ50㍍)を照らすことで航行の障害となる岩の存在を示してきた。近年ではGPSやAIS(自動船舶識別装置)といった航海計器の発達・普及など環境の変化に伴い利用者は減少していた。

 同保安部によると、同照射灯は奄美群島内2基の照射灯のうちの1基。96年に同照射灯の機材交換の工事に携わった経験を持つ、同保安部交通課の中村悟課長は「時代にあった改変が必要なので、廃止はさみしいが仕方ない。航行船舶の技術は上がっているので、安全がおびやかされることはない」と話した。

 同灯台近くで民宿を営む嶺山則秀さん(52)は、父・武憲さん(87)と親子2代で設置以来47年間、灯火監視に協力。武憲さんは2000年に同灯台の名誉灯台長にも選任されている。則秀さんは「台風時に雨風の中、点灯しているかどうかを確認しに行ったのが思い出深い」と同照射灯の思い出を振り返るとともに「毎日見てきたのでさみしいが、灯台がついている限りは監視を続ける」と語った。