渋谷で泥染めワークショップ

テーチ木のことなど、泥染めについて解説する松元ゆきのさん(左)と参加者たち


完成品を手に笑顔の参加者たちと、松元ゆきのさん(前列左)、キサブローさん(前列右)。キサブローさんは、27日から7月3日まで伊勢丹新宿店で新作浴衣を販売する

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 【東京】合同会社Simply Nativeとキサブローはこのほど、渋谷区渋谷の100BANCHで泥染めのワークショップを行った。フェイスブックなどを通じて集まった人たちは、持ち寄ったTシャツなどを染める体験を通じて、奄美の伝統文化に触れていた。

 奄美出身の松元ゆきのさんが、着物作家のキサブローさんとともに参加。事前予約のチケット制で3回にわたったイベント「泥染めアップサイクル」は、各回10人の限定で全て売り切れとなり、海外からの追加参加を含めて40人が体験した。

 午前10時の回に参加したのは、東京近郊からやって来た女性たち。泥染めの工程や歴史などを松元さんから説明を受けた後、トートバックやTシャツなどに仕上がりのイメージを膨らませながら、輪ゴムを巻いていた。

 独特のにおいの中でのチャレンジ。「タンスの中から大島紬が出てきたことで奄美に興味を持ちました」と、笑顔で話す人。また、茨城から参加した母娘は、「藍染めの経験はありますが、泥染めは初めて。とても楽しいです」。そう言葉を弾ませていた。

 この日のために用意されたのは、150万年前の古代層から出た鉄分を多く含んだ龍郷の泥。「泥染めはもちろん何度も経験していますが、こうしたワークショップは初めてで緊張しています」と、イベントを前の松元さんだったが「私は大島紬に育ててもらいました。その中でも泥染めは基本です」。弾ける笑顔で解説しながら、キサブローさんとともに、ていねいに対応。また、自然豊かな奄美の魅力もアピールしていた。

 およそ1時間後、参加者は化学反応で染まった自らの作品と、歓声を上げながら対面していた。松元さんは家業が大島紬関係。日本の地場産業の商品をオーストラリアに輸出しており、「日本とオーストラリアで半年ずつぐらいの生活」を送っている。シドニーでは、昨年12月に藍染めワークショップを実施した。

 100BANCHは、パナソニックとロフトワーク、カフェ・カンパニーが昨年7月にJR渋谷駅新南口エリアに開設した複合施設。「100年先の世界を豊かにするための実験区」をコンセプトにしている。