帰ってきた「えらぶ百合物語」

アイザックとの間に生まれた子どもを幼馴染と育てていくことを決めたシーン=17日、知名町=

6年ぶりに再演 島民創作ミュージカル
29人熱演、観客を魅了

 【沖永良部】島民創作ミュージカル「えらぶ百合物語」(知名町主催)が16、17日の両日、知名町あしびの郷・ちなで上演された。島内の小中高校生を中心とした29人が出演し、2日間で900人を超える観客を魅了した。

 ミュージカルは、2010~12年の間に3回上演。脚本は志布志市出身の演出家、松永太郎さん(44)が手掛けた。

 ストーリーは、沖永良部高校3年生でエイサー部のユリが、留学先のアメリカで自分のルーツを知る内容。島の特産品「エラブユリ」が外国に輸出される契機となった実話を題材に、ユリの曾祖母ナミとプラントハンターのアイザックの悲恋を描いた。

 劇終盤では、島の民謡「永良部百合の花」をレゲエやヒップホップ風にアレンジしたオリジナル曲も登場、バンドの生演奏が響くなか、笑顔をはじけさせて踊る子ども達の姿に、観客も盛り上がった。

 ナミ役の藤田和さん(17)は「感情表現の難しい役だったが、やり切った。公演までの10カ月間、本当に楽しかった」。ユリの友人、リリー役の松元さくらさん(17)は「ミュージカルを見て沖永良部島をもっと好きになって欲しい。そして、島の文化と人の温かさを誇りに思って欲しい」と話した。