住宅地でも民泊事業可能に

今回、民泊事業の営業を希望して、受理された奄美市の一般住宅

宿泊施設不足解消にも期待
民泊新法の施行で 奄美大島2件受理

 15日に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)では、家主などの事業者が各都道府県に届ければ、住宅地でも有料で旅行者などを泊めること(民泊)が可能になった。14日までに、県内で民泊営業を希望する届け出に対し、6件が受理された。奄美大島島内でも2件を受理。県はもとより、奄美群島内でも右肩上がりで訪れる観光客の増加がみられるなか、県では、宿泊施設等が不足する地域などでの活用にも期待している。

 民泊を始める際、これまでは簡易宿所をはじめ、農業・林業等の各種体験の提供を前提にした体験民宿(条件緩和型簡易宿所登録)などについて旅行業法上の許可が必要とされ、スプリンクラーなどの設備や延べ床面積など構造上の要件を満たさなければならなかった。

 新たに施行された民泊新法では、年間180日までなら、家主など事業者が都道府県に届け出をすれば、住宅地でも営業することが可能になった。

 県生活衛生課によると、14日までの届け出で、県全体で6件を受理。奄美群島内では、奄美市、龍郷町、与論町、大和村から計6件の届け出があり、そのうち2件が受理された。

 奄美市で不動産業を営む、伊東末隆さん(70)も届け出した一人。島内では、宿泊施設の不足が懸念されており、「少しでも解消につながれば」との思いも今回の理由の一つ。自宅2階部分を、活用する予定だという。

 伊東さんは「島外から来る様々な人とコミュニケーションを図ることで、自分の視野も広げることができる。ワクワクする気持ちも大きい」などと期待する。

 住宅宿泊事業を営む上で、様々な法令上の責務が課せられるが、宿泊者名簿の備え付け(作成した名簿は3年間保存)、苦情への対応、都道府県への定期報告(①宿泊させた日数②宿泊者数③延べ宿泊者数④国籍別の内訳)などがある。

 県観光課の井上淳詞課長は「宿泊施設が不足している地域など、地域の実情に応じて、様々な活用が想定される。観光振興につながるよう、法に基づく民泊サービスが、適切に提供されることを期待している」などと話した。