屋仁小・ウミガメ保護プロジェクト

屋仁小・ウミガメ保護プロジェクト

掘り出した卵をそっと移す児童たち

卵を保護 元気な赤ちゃんの誕生願う

 奄美市笠利町の屋仁小学校(外戸口浩春校長、18人)は25日、同校近くの海岸でアカウミガメの産卵を確認し、児童たちが卵を保護した。同校では、毎年ウミガメのふ化を助ける活動に取り組んでおり、この日も連絡を受け卵を保護。児童らは、砂浜から掘り出した卵を優しく抱えてふ化場に埋め戻し、元気なウミガメ赤ちゃんの誕生を願った。

 同活動は、2016年に環境大臣賞を受賞した「ウミガメの保護を核とした総合的自然プロジェクト」の一環で、12年から始まり今年で7年目。同海岸は地形上、産卵した卵がふ化しにくい状況にあることから、県の許可を経て活動を続けている。

 発見は、同活動で見回りを続ける同校保護者・平島舞子さんが、午前6時ごろウミガメの足跡を見つけ学校に連絡。ウミガメ保護員・松崎文好さんが、アカウミガメの卵が埋まっているのを確認し、児童らが招集。松崎さんによると、今年は例年より産卵時期が遅かったという。

 砂の中から松崎さんが直径4㌢程度の卵を慎重に取り出すと、児童たちはそろりと卵をつまみ、「ゆっくり」など声を掛けタライへ移動。同校庭内にある砂を敷きつめたふ化場に50㌢ほどの穴を掘り、110個の卵を丁寧に埋め直した。

 外戸口校長は同活動について「自然の偉大さを感じ、屋仁に住んで良かったと肌で感じてほしい」と喜び、6年・朝岡歩紀花さんは「一つでも多く卵がふ化するようにきちんと世話をしたい。元気に生まれたら、またこの海に卵を産みに帰って来てほしい」と笑顔を見せた。

 今後児童らは、毎日交代で卵のふ化率を上げるため水かけを行い、8月下旬ごろ生まれたウミガメを海に放流する。