台湾宜蘭市を視察訪問

台湾宜蘭市を視察訪問

宜蘭川の堤防建設の功績をたたえ、地元有志が建立した「西郷庁憲徳政碑」を見学する龍郷町訪問団メンバーら(提供写真)

指を立てるのは「歓迎」の意味があるという。宜蘭市の江聰淵市長(左から6人目)を表敬訪問(提供写真)

菊次郎翁の功績たどる
龍郷町訪問団 宜蘭市長、交流に前向き

龍郷町の「西郷菊次郎使節団・台湾宜蘭市視察研修」報告会見が27日、町役場第一会議室で開かれた。訪問団(竹田泰典町長、メンバー10人)一行は、6月21~24日の4日間の日程で宜蘭市を訪問。龍郷で生まれた西郷隆盛の長男・西郷菊次郎のゆかりの地で、菊次郎の功績や足跡をたどった。表敬訪問した宜蘭市(宜蘭市公所)の江聰淵市長は「今回の訪問団の訪台をきっかけにビジネスや文化交流などを行っていきたい」と今後の交流促進に前向きな姿勢を示したという。報告会見で龍郷町側も相互交流に期待を込めた。

視察研修目的は「NHK大河ドラマ『西郷どん』放送や明治維新150年の節目の年に当たる本年を契機として、龍郷出身で名誉町民でもある西郷菊次郎翁を縁とした宜蘭市との今後の交流に向け、宜蘭市行政・関係民間団体等との交流を深める」としている。宜蘭市の人口は9万人台。

視察には、竹田町長以下、窪田圭喜議会議長、碇山和宏教育長、川元博文町商工会副会長、前田豊成町商工会理事、大茂卓郎さん(志塾西郷塾)、久保笙子さん(同)、重原よし子さん(同)らが参加した。

訪問団一行は▽21日 宜蘭県農会(日本で言えばJA)直営の特産品加工施設を視察▽22日 ①宜蘭市長表敬訪問(双方の特産品贈呈など交流)②宜蘭設治記念館訪問(菊次郎翁の宜蘭庁長官時代の庁舎を改装した資料館訪問。菊次郎翁について廖英杰館長、地元ガイドの李英茂さんと意見交換)③「西郷庁憲徳政碑」(菊次郎翁の宜蘭での最大の功績である宜蘭川の堤防建設工事の功績をたたえ、地元有志が建立した石碑)を見学▽23日 台北世界貿易センタービル視察―など巡った。

報告会見で竹田町長は「龍郷で生まれた西郷菊次郎翁が宜蘭で残した功績を視察することができた。今後、いろんな形で人、物の交流につながってほしい」と期待を込め、参加メンバーは「今回の訪問を契機に相互交流の実績を重ねてほしい」「子どもたちの交流を実現していきたいと感じた」「堤防のすごさを感じた。町と商工会が一緒になって何ができるか考えたい」「菊次郎翁は在任中に数多くの仁政徳積を残された」などと話した。

現在、町生涯学習センターりゅうがく館文化財展示室で開かれている「西郷隆盛と菊次郎展」で、菊次郎翁の足跡と功績が詳細に紹介されている。