世界自然遺産フォーラム サイドイベント

VR自然体験でゴーグルを装着し、360度見渡せる映像を楽しむ参加者ら

「鮮明さにびっくり」
VR自然体験・はく製展示など盛りだくさん

 「ハゲ!マッタイ!世界自然遺産 くわ、まがにつなぐ島時間を考えりゅんフォーラム」が1日、奄美市名瀬のサンプラザホテルであった。開演前にあったサイドイベントでは、VR(仮想現実)を用いた自然体験や、奄美の生物のはく製に触れることができ、参加者は楽しみつつ自然を学んだ。

 VR自然体験に使われた映像は県のPR用として、㈱NTTドコモが360度撮影可能なカメラを使用し制作。スマートフォンがつけられた専用のゴーグルを装着し映像を見ることで、実際にその場にいるような体験をすることができる。体験ブースでは奄美市住用町のマングローブ林や、龍郷町の町田酒造㈱の工場などの奄美の自然文化に関するものほか、雄川の滝(南大隅町)や佐田岬(同町)など、県本土の景勝地も視聴可能だった。

 奄美市の地域通訳案内士・池水順二さん(78)は「初めて見たが、鮮明さにびっくりした。本物の色が表現されており、強いインパクトがある。木を見上げると、葉の繊維までしっかりと見えた」と驚きを隠せない様子。多くの来場者が興味を示し、「すごい」、「へえ」などと歓声をあげた。首を動かしても全方向見ることができる映像に感心し、ゴーグルを着用した状態で周囲を見渡して楽しんだ。

 奄美野生生物保護センターはアマミトゲネズミやアカショウビンなどのはく製、ルリカケスやアマミヤマシギの羽などを展示。同センターのアクティブレンジャーが、はく製となった動物について、「アマミトゲネズミは奄美しか生息していない生き物で、触るとトゲトゲしているのがわかる」、「ルリカケスやアカショウビンはライトをあてると色が変わる」などと、実物があるからこそ可能な説明をし、来場者の関心を集めた。

 このほか、自然写真家の常田守さんが撮影した写真の展示などもあった。