医療座談会

医療座談会

島内医療機関の医師が集った「医療座談会」

 

住民と地域医療考える
各機関から医師参加
笠利町節田で

 奄美大島島内の総合病院で勤務する医師有志らでつくる「奄美の健康を考える会」(代表・平島修徳洲会奄美ブロック総合診療研修センター医師)は8日、奄美市笠利町の節田生活館で「笠利医療座談会」を開いた。医療機関の垣根を越えて医師らが一堂に会するとあって関心も高く、住民など約30人が参加。普段の診察と違った和やかな雰囲気の中、健康や医療、介護への不安や疑問について意見を交わした。

 同会は任意ボランティア組織。平島医師の「地域医療のあり方を住民目線で考えたい」との趣旨で、昨年から同島内集落で座談会を実施。賛同した勤務医師が集い、住民と語り合っているという。

 この日は平島医師のほか、岡進笠利病院院長、県立大島病院から森田喜紀・総合内科部長兼副臨床研修センター長、松元良宏医師。折田浩・奄美中央病院医師が列席。また看護師や保健師など病院スタッフ、行政担当者の姿もあった。

 高齢社会を反映して住民から、配偶者や家族に行われている「延命治療」の判断について質問が出た。医師から処置をどのように考え、方針決定しているかが語られ、「担当医としっかり話し合うこと。また事前に患者本人の意思を確認しておくことも大切」との言葉に住民は真剣な表情で聞き入った。

 そのほか「(治療過程で)痛い注射があると聞き、次の通院が不安」「薬が多めに処方されるのはなぜ」―などの質問には、治療方法の解説や個人的意見として現状の医療制度の問題点などをわかりやすく述べた。

 森田センター長は「奄美の医療機関全体で地域医療を考えていくきっかけになる」と座談会の意義を強調。平島医師は「健康寿命の引き伸ばしなどに向け、住民との関わりを増やしたい」と今後の開催に意欲を示した。

 参加した女性(79)は「各病院の先生が来ると聞き、楽しみにしていた。率直な言葉を語ってくれて勉強になった」と話した。