ノネコ捕獲17日スタート

17日以降、奄美大島全戸に配布されるノネコ管理計画に関するパンフレット

環境省 18年度、捕獲目標270頭
管理計画パンフ奄美大島全戸に配布

 環境省は17日から奄美大島の山中で「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」に基づいたノネコの捕獲を開始する。捕獲されたノネコは奄美市名瀬の「奄美ノネコセンター」に送られ、奄美大島ねこ対策協議会(会長・平田博行奄美市環境対策課長)が認定する譲渡対象者へ引き渡す予定としている。

 環境省によると、捕獲範囲は希少種の生息域・ノネコの生息域を加味しつつ選定。捕獲はキャットフードでノネコをかごわなに誘引し、生け捕りするという。第1回目の捕獲範囲(約16平方㌔)では6月下旬から45台のセンサーカメラによるモニタリング調査行っており、設置予定のかごわな100基のうち、一部を未稼働の状態でかごわなを設置し始めている。17日以降は残りのかごわなを設置しつつ、すべて稼働させるという。

 1カ所での捕獲作業は約2カ月の期間。手順としては①モニタリング調査(2~3週間)②かごわなによる捕獲(2週間)③モニタリング調査(1週間)④かごわなによる捕獲(2週間)⑤モニタリング調査(2~3週間)―の順。終了後は別の地域にカメラやかごわなを設置し、同様の手順で捕獲を進める。

 捕獲には環境省が委託した作業員3人があたり、かごわなを稼働させている期間中は毎日見回り、ノネコがかかっていた場合はノネコセンターに送られる。また、飼い猫がかかった場合はマイクロチップの情報をもとに、飼養者に直接連絡を取る。また、マイクロチップが装着されていない場合は、各市町村の役場の掲示板で情報を公開する予定としている。

 環境省は捕獲開始から今年度末までに270頭のノネコ捕獲を目標としている。一方で、同協議会が6月14日から募集している譲渡希望者については、島内1団体1個人、県外1団体から申請があったものの13日現在、認定には至っていない。

 また環境省や県、島内5市町村は同計画についての周知を図るためのパンフレットを制作。パンフレット内にはネコによる在来生物への影響、適正飼養、譲渡希望者募集などについて記載。17日以降に島内全戸に配布する予定としている。

 環境省奄美野生生物保護センターの岩本千鶴自然保護官は捕獲開始について、「的確に、効率よく進めることで島の素晴らしい在来生態系を維持・回復していくように努めたい。多くの人に協力していただきたい」となどと述べた。