4コマアート展始まる

4コマアート展始まる

ワークショップでは徳理事長(右)が指導を行い、アート制作と触れ合った

「世界の潮流、視覚で読み解いて」 田中一村美術館

 大学の実践的な鑑賞教育プログラムの一つ「4コマアート」の作品を展示する「4コマアート・世界で今何が起こっているのか?」(NPO法人アマミーナ、田中一村記念美術館共催)が14日から、奄美市笠利町の同館展示室で始まり、その展示を記念したオープニングトーク・ワークショップが15日に行われた。カリフォルニア州立大学チコ校美術教育学教授で同NPO理事長の徳雅美さんが世界の情勢を表現する4コマアートの世界観などを語り、子どもたちと一緒に創作。徳理事長は「世界の潮流を視覚から読み解いて」と思考を深めるアートの世界に誘った。

 4コマアートとは、著名画家の作品を一コマに使い、4コマ(起承転結)の物語を作る芸術教育プログラムの一つで、同大学のカリキュラムなどにも採用。絵による視覚的なイメージからストーリーを読み解き、世界の流れなどと照らし合わせながら鑑賞を楽しむ。

 この日のオープニングトークでは「一枚の絵から創造の翼を広げて」をテーマに、徳理事長が4コマアートの奥深さや見所などを解説。「同じ絵の素材でも、どうストーリーが異なるか。じっくり眺めながら作者のアイデアに、多様性やウイットを感じてほしい」と話した。

 小学中学年以上を対象としたワークショップでは、田中一村やゴッホ、ダリなどの著名絵画を一コマに使い、創作活動を実施。子どもたちは伸び伸びと自由な発想で独創力を発揮し、紙とペンで表現する楽しさを学んだ。

 参加した奄美小学校3年・満田樹生くんは田中一村の「崖の上のアカショウビン」を使い、カラスに狙われたアカショウビンがどう危機を切り抜けるかを表現。「どういう順番にするか迷ったけど、上手にできた」と喜んだ。

 同作品展の開催期間は、29日まで。同大学学生の作品を中心に、奄美看護福祉専門学校の学生も作品を寄せており、今後この日のワークショップ作品も展示を予定している。