群島内150校にブロック塀

安全性調査 状態応じて解体、補修検討
162校中、117校で実施

 先月発生した大阪北部地震で、倒壊したブロック塀の下敷きとなり女子児童が死亡した問題を受け、全国で緊急調査が進められているなか、鹿児島県はこのほど、県内の小中学校などを対象に行われたブロック塀の安全性に関する調査結果を発表した。奄美群島の162校のうち、ブロック塀のある学校は150校。また、117校が詳しい調査を実施しており、33校は今後行う予定にしているという。

 各市町村立の幼稚園、小中学校、義務教育学校、高等学校が対象で、県内全823校で調査を実施。そのうち、518校にブロック塀有り。372校で詳細調査を実施済みとし、146校が今後予定していると発表した。

 国土交通省が作成したブロック塀の安全点検のポイントは▽高さ(地盤から2・2㍍以下か)▽厚さ(10㌢以上※高さが2㍍超2・2㍍以下の場合は15㌢以上)▽高さが1・2㍍超の場合控え壁はあるか(さらに塀の長さ3・4㍍以下ごとに控え壁があるか)▽塀に傾き、ひび割れはないか―など。

 群島内で117校(幼稚園12、小学校67、中学校38)が詳しい調査を行ったとしており、奄美市(40校)で、34校にブロック塀が有り、34校で詳細な調査が実施された。「軽微なものを含め26校にブロック塀の損傷が見られた。技術職員を含めて協議し、状態に応じて解体、補修を検討していきたい」(市教委)。

 知名町では、全7校で詳細調査を実施。ひび割れ、亀裂等は見られなかったが、町教委は「控え壁がない箇所が複数あった。8月末までに施工を終了させる見込み」と話した。

 調査をまとめた県教委は、各市町村に対し、危険箇所などが確認された場合、撤去や改修等の適切な対応を呼びかけている。