平田浄水場更新事業完了竣工式

奄美市名瀬の平田浄水場の更新事業が完了し竣工式が開かれ、安定した供給に期待を寄せた

施設見学会もあり、設備などにについて説明を受ける出席者ら

安心・安全な水、安定供給へ
1日処理量最大約1万6千㌧

 2014年度から進められてきた、奄美市名瀬の平田浄水場の更新事業はこのほど完了し18日、竣工式が開かれた。給水計画人口は名瀬市街地を中心にその周辺住民など2万5900人で、1日の処理量は最大で1万5600㌧。出席者らは、より安心・安全な水の安定的な供給に期待を寄せた。

 「平田浄水場更新事業」は14年度に着手。水道供給しながら順次、膜ろ過棟、原水ポンプ棟の新設。沈殿池の既設補強などが進められ、このほど完了。総事業費約27億円。

 膜ろ過棟で行われる膜ろ過処理は、水のみを通すストロー状の膜(中空糸膜)を使いろ過。膜表面の小さな穴は汚れを取り除き、きれいな水のみが通され、膜ろ過設備から、処理された水を貯める浄水池とその先の配水池へは、高い所から低い所に向かって流れ落ちる自然落下によって送られる。

 中央監視室では、365日24時間体制で、名瀬・住用管内の簡易浄水場なども含めた運転状況を監視。また、飼育するメダカを活用した原水生物監視装置で、水質も監視する。関係者によると、全国の関連施設の大半で、設備更新が済んでいない状況のなか、このような特長がある設備導入については、同市が全国2例目になるという。

 竣工式が膜ろ過棟前であり、市や市議会、工事関係者らが出席。朝山市長は「住民や年々増えてきている観光客などにとって、ライフラインの確保は欠かせない。安全で安定した水の供給、豊かに安心して暮らせる街づくりに取り組んでいきたい」などとあいさつ。代表者5人が鏡開きを行い、出席者らは設備の更新完了を祝った。

 式後に、施設の見学会があり、浄水場の全体的な紹介VTRのほか、担当者による案内で膜ろ過棟内の設備などについて説明を受けた。場内の二つの配水池の更新についても将来的に予定しているという。