三京川「生きもの観察会」

関係者のサポートであった河川の生き物観察会=18日、天城町「三京川」

豊かな自然を再認識
天城町の西阿木名小三京分校

 【徳之島】天城町教育委員会主催の「三京川での生きもの観察会」が18日午後、同町立西阿木名小(田川俊一校長)三京分校(児童数2人)を対象にあった。2人は大人たちのサポートで分校沿いの三京川にすむ絶滅危惧種など希少生物を観察し、足もとの豊かな大自然を再認識していた。

 同観察会は、下流の秋利神川水系で「徳之島ダム」建設に当たった九州農政局徳之島用水農業水利事業所が7年前にスタート。事業完了に伴い昨年からは町教委が継続。同水系の生物は環境省および県指定の絶滅危惧種2種類(キバラヨシノボリ、ルリボウズハゼ)など計15種が知られる。町職員らが小型定置網とかご網を前日に設置して協力した。

 三京分校の嶺山結=ゆい=さん(6年生)と三島優結さん(2年生)は、自然写真家でもある山田文彦さんら職員の説明を受けて三京川へ。大人たちの安全サポートを受けながら、玉網で水中の生き物を探った後、小型定置網など回収の体験。残念ながらオオウナギの姿はなかったが、キバラヨシノボリやヒラテテナガエビに歓声を上げた。

 毎年参加してきた嶺山さんは「将来の目標はまだ決まってないが、夢の一つは、三京川の自然を守ったり、集落の区長さん(豊村佑一さん)のように林道案内人になって森を大事にすることです」とにっこり。

 同日捕獲した河川生物は全てリリースされた。抱卵していたテナガエビは徳之島ダムの下流域に移動、放流された。