「命守るため」一致団結

「命守るため」一致団結

17・19日と火災が続いた嘉渡集落=20日撮影=

 

龍郷町嘉渡集落 連続火災受け緊急常会
見回りや巡回、捜査協力

 

 17・19日と続けて発生した火災を受けて龍郷町の嘉渡集落(得田要一区長、99世帯・175人)は19日夜、住民を交え今後の対応策を話し合う「集落緊急常会」を開いた。会では不審火が続くことから、連続放火などを想定し協議。関係者は「命を守るための会」と述べ、人命を最優先に据えた方針や対応策などを話し合い、集落全体で一致団結し取り組むことを決定した。

 同緊急常会は、同集落の生活館で行われ、ほとんどの集落住民が集まった。得田区長は「みんなの命を守ることを最優先に考えたい」とその意図を説明した。

 この日の主な決定内容は、▽人命を優先した対応策▽住民の不安解消に向けた自警団などによる見回りや巡回の実施▽速やかな解決を図るための捜査機関への全面協力―など。また、21日の台風10号接近に伴う、関係各所への確認事項なども申し合わせた。

 具体的には、車いすでの移動が必要な高齢者などは、同地区にある特別養護老人ホーム龍郷の里に夜は泊まり、早朝に帰宅。そのほかの高齢者は、24・5人をピックアップし同生活館での共同での寝泊まりを勧める。

 自警団については、青壮年団、婦人会、老人クラブなどが相談し、終日体制で巡回を続けることを決定。強制することなく、できる限り家族や集落が説得に努めるということで一致した。

 関係者は「不安の声も多々あり、住民全員の懸念払しょくは難しいかもしれないが、一丸となって取り組むことで、少しでも安全を確保したい」と話した。会終了後は早速、青壮年団による見回りを開始。集落住民への説得にも動き出した。

 なお、奄美署や大島地区消防組合龍郷分署によると、この日は午前9時から捜査を再開。きょう21日は、台風の様子を見ながら捜査を進めるという。