本州高気温も奄美は平年より低く

多くの観光客が海辺で涼しげに遊んだ(27日、奄美市名瀬大浜海浜公園)

今年入り「猛暑日」観測なし 観光客「避暑のよう」
熱中症注意 40人以上救急搬送

 気象庁は23日、「東日本と西日本の長期間の高温に関する全般気象情報」を発表し、熱中症などの健康管理、農作物や家畜の管理等に十分注意するよう呼び掛けている。一方で、奄美地方は平年より気温が低い状態が続いている。同地方では今年に入ってから最高気温35度を超える「猛暑日」の観測はない。

 27日の奄美地方はおおむね晴れ。最高気温が最も高かった伊仙町でも32・5度だった。行楽日和となった同日、奄美市名瀬の大浜海浜公園にも多くの観光客が訪れた。岐阜県中津川市から訪れた大堀達也さん(31)は「地元は40度ほどになるし、海もない。避暑のような形で来ることができて最高」と笑顔を見せた。

 気象庁の発表によると、関東甲信越の7月中旬の平均気温は平年差4・1度高となった。東海、近畿、中国地方も平年より3度以上高く、それぞれ、7月中旬としては統計開始以来最も高い。

 広い範囲での高気温が叫ばれるが、奄美地方の7月中旬の平均気温は平年より0・6度低くなっている。これについて名瀬測候所担当者は「海は温まりにくく、冷めにくい。海に囲まれた離島は、内陸部に比べ気温が高くなりづらい」と話す。また、「今年は台風が多く、海水温が平年より低いので、気温も低い」とも説明した。

 一方で、奄美群島内でも4月30日から7月26日午後4時までに、熱中症の疑いにより43人が救急搬送されている。県健康増進課は熱中症の予防対策として、▽暑い中での無理な運動を避ける▽水分の十分な補給(就寝前を含めこまめに)▽扇風機やクーラーの利用▽大量に発汗するときは多少塩分の含まれた水分の補給をする―などを挙げ、注意を呼び掛けている。

 同気象台が26日に発表した一カ月予報によると、向こう一カ月の奄美地方の平均気温は平年並み・低めがともに40%。週ごとにみると、28日~3日までが低め50%。8月4~10日が平年並み・低めが40%ずつ。同11~24日が平年並み40%となっている。

 28日の奄美地方はくもり夕方から晴れ。最高気温は名瀬30度、沖永良部31度となっている。8月3日までの週間予報では奄美地方の最高気温が35度を超える日はない。