被害苦情受けサメ駆除

名瀬港沖合でサメ駆除作業した名瀬地区漁業集落のメンバー(提供写真)

4匹、陸揚げし解体処理
名瀬地区漁業集落

奄美市の名瀬地区漁業集落(徳永正士代表、30世帯)は4日、名瀬港沖合でサメの駆除作業を行った。一本釣り漁業者からのサメ被害の苦情を受け実施し、サメ4匹を駆除した。名瀬漁協で陸揚げし、解体処理した。徳永代表は「大きいものは200㌔以上あるのではないか」と話していた。

国の「離島漁業再生支援交付金事業」を活用して計画。徳永代表によると、前日にはえ縄を仕掛け、4日午前7時ごろに引き揚げ作業を行った結果、サメ4匹と大きなエイが掛かった。2隻に合計7人が乗り組み、1隻は駆除作業を行い、1隻は駆除報告書作成用に洋上で写真撮影した。

徳永代表は「サメは掛かった魚を食べる被害を出すだけでなく、釣り道具も駄目にする。燃料、餌、氷代などを使って出漁しており、漁業者にとってサメ被害は深刻な問題。漁業者から『何とかしてくれ』との要望があり、サメ駆除を実施した」と話した。当初は7月末に計画していたが、台風の影響で8月にずれ込んだ。

名瀬漁業協同組合職員によると、毎年度、夏と翌春ごろに2~3回、サメ駆除を実施している。名瀬地区漁業集落の漁業者は、サメ駆除専用のはえ縄仕掛けを作り、餌は小ぶりなシビやカツオを使っている。

名瀬地区漁業集落では、「離島漁業再生支援交付金事業」を活用して①イカシバ投入(イカの産卵場作り)②藻場造成③密猟監視パトロール④魚食普及活動―など実施している。