奄美市学力向上フォーラム

2018年度奄美市学力向上フォーラムがあり「読書と学力」をテーマにしたパネルディスカッションも行われた

「質の高い読書習慣化を」
学習と読書に相関性

 2018年度奄美市学力向上フォーラム(同市教育委員会主催)が19日、同市名瀬の奄美文化センターであった。「読書と学力」をテーマにしたパネルディスカッションでは、児童生徒の日頃の読書活動、保護者が関わる取り組み事例なども挙げて意見交換。幅広い知識が得られること、人生の糧にもなり得るなど、学習以外にも期待できる読書の効果を再確認し、家族や友人などとも関わりながら、読書の習慣化に向けてどのようなことができるか考えた。

 フォーラムは奄美市名瀬の奄美文化センターを会場に開かれ、保護者や学校関係者などが出席。パネルディスカッションでコーディーネーターと5人のパネリストが登壇した。

 日頃の読書に対する親しみについての児童生徒への質問では、伊津部小6年の麓宙弥君が「小さい頃に母がしてくれた読み聞かせが楽しみだった」。住用中3年の潤井あゆさんは「ある1冊の本との出会いで読書が好きになった。平日には宿題が終わった後、休日にも読む。授業でまだ習っていない漢字が読めたり、新出の漢字も覚えやすく、学力とも強い関係があると思う」など両者ともに実感として、学習と読書に相関性があることを意見した。

 また、保護者の立場から勝村克彦さんは、「子どもの成長に読書は必要だと感じてきた。言葉を覚え、文章を書くことにも不可欠。子どもへ本をプレゼントしたり、今も一緒に読みたい本を選ぶこともある」など本を通した、子どもとの関わり方などについても紹介した。

 教頭なども歴任した奄美図書館の小野由美子指導主事は「生きる糧となる幅広い奥深い体験が得られる。読書習慣の形成、質の高い読書をさせてあげることが大切」と指摘し、習慣化についても「家庭環境に左右される。親は子どもが読んだ本の感想も、前向きな言葉で受け止めることが大切。友人同士で読書を勧め合う活動も関心を高めることにつながる」などと話した。

 講演では㈲アーマイナープロジェクト代表取締役の麓憲吾氏が「島には夢がある!」と題し講話。今年運営20周年を迎えたライブハウスや2007年に開局したFM局を通した様々な活動体験もふまえ、結の精神など自身が再認識した島らしさや良さを挙げ、「島に戻りたいと意識している子どもたちもいる。島外に出た若者が技術や能力を身につけて、島に戻り島に循環できるようなサイクルができれば」などと意欲を語った。